成田市は国の大学医学部新設の方針を受けて、21日に開いた臨時議会に、大学医学部用地購入費22億7600万円を盛り込んだ一般会計補正予算案を提案した。予算案は医学部新設に関する特別委員会で継続審議となった。
特別委員会では、市が医学部及び附属病院の設置場所や市の財政負担について説明した。それによると医学部用地は、来年4月の開校を予定している国際医療福祉大学成田キャンパスとの連携を考慮し、同校の西側隣接地1万4827・38u(公津の杜4丁目1番1〜5)を予定。用地は京成電鉄が所有。市が京成電鉄から用地を取得し、大学に無償貸与する計画。
建物はRC造6階建て(1〜2年生棟)とRC造11階建て(3〜6年生)の2棟を計画。延べ面積は約4万8550uを見込む。事業費は校舎の建設費や医療設備購入費等で総額約160億円を想定。市と県で最大80億円を補助する計画。負担割合は今後、両者で協議し決める。
一方、医学部新設に伴い設置する附属病院については、畑ヶ田地先の多目的スポーツ広場用地を病院用地とすることで検討。用地は土地の一体的活用や病院利用者の利便性向上のため、市有地のほか、北側の畑や西側の山林などを購入し、市有地と民有地合わせ約18万7575uを確保し、大学に無償貸与する計画。
用地取得等に伴う費用は、用地取得費に約4億円、造成費等に約6億円を見込む。病院の規模はRC造地下1階地上11階建て延べ約9万1000u。病床数は600床の計画。
附属病院は、市などが出資した会社を設立し、会社が建設及び建物の管理を行うとともに大学側に施設を賃貸する。会社はその使用料を金融機関などへの返済に充てる。新会社は資本金約150億円を見込み、このうち市が最大約20億円を出資する計画。
このほか、医学部及び附属病院新設に伴う経済効果については、6学年が揃うと人口8232人の増加が期待され、経済波及効果は施設関連で857億円、消費関連で年間211億円と試算。
医学部設置については、国が本年7月の成田市分科会で、世界最高水準の「国際医療拠点」としての医学部を新設する方針を決定。今秋からの設置者の公募を予定する。設置に向けては、最短で17年4月開校というスケジュールが示されている。
同市は国際医療福祉大学(本部・栃木県太田原市小金丸2600―1)と共同で国に「国際医療学園都市構想」を提出。同大学は、公津の杜駅前に看護学部の看護学科と保健医療学部の理学療法学科、作業療法学科、言語視聴覚学科、医学検査学科の2学部5学科からなる成田キャンパスを建設中で、来年4月に開校する予定。医学部、附属病院とも用地は同大学への貸与を前提に検討している。