建通新聞社(神奈川)
2015/08/24
【神奈川】横浜市泉区 マスタープラン泉区プラン改定素案
横浜市泉区は、策定後10年が経過した都市計画マスタープラン泉区プランの改定素案をまとめ、市民意見の募集を開始した。
相鉄・JRと相鉄・東急の相互直通運転の開始や泉ゆめが丘地区土地区画整理事業の進捗、旧深谷通信所の跡地利用など、大きく変化しつつある泉区を取り巻く状況を踏まえ、生活拠点への諸機能の集積や交通ネットワークの形成、水と緑の環境保全・ふれあいの場の活用、総合的な浸水対策や土砂災害対策を盛り込んだ。市街化調整区域の土地利用や駅周辺の土地利用についても必要な機能の導入の検討を追記した。
今後、市民意見を反映した泉区プラン改定の原案を策定し、都市計画審議会を経て2016年度に改定を告示する。
改定素案のうち建設に関連する項目は次の通り。
■土地利用の方針
【市街化区域の土地利用】
▽空き家の有効活用支援、適正管理の指導など
▽マンションの適正な維持管理や改修・建て替え支援
▽開発の機会を捉えた複合型の集合住宅などを誘導
▽工業・業務を中心とする地域は、操業環境の保全を基本に住宅と共存
【市街化調整区域の土地利用】
▽まとまりのある樹林地、農地を緑地保全制度などで保全
▽開発の際は、周辺環境や生活環境と調和した土地利用を誘導
▽市街化区域に接する区域では、土地利用状況に応じて市街化区域への編入を検討
▽駅周辺では都市計画制度の活用などで適正で合理的な土地利用
【駅周辺の土地利用】
▽いずみ中央駅―行政サービスや防災の拠点、文化活動や区民活動の拠点としての土地利用
▽立場駅―環状3号線の整備と併せて周辺の道路交通の円滑化と、商業・サービス施設の立地誘導など
▽中田駅―買物・サービス機能などの充実
▽踊場駅―日常的な買物・サービス機能などの充実
▽ゆめが丘駅、下飯田駅―土地区画整理事業による基盤整備と集合住宅、大規模商業施設などの整備
▽いずみ野駅―開発などにより商業・サービス、福祉・子育て関連施設などを立地するとともに、農業専用地区のまとまりある農地の保全
▽弥生台駅―開発などにより商業・サービス施設、住宅、病院関連施設等の立地を誘導
▽緑園都市駅―民間企業や大学との協働でまちの魅力づくりと地域コミュニティ発展
【大規模な土地利用】
▽ゆめが丘地区―土地区画整理事業による都市基盤の整備と集合住宅、大規模商業施設などを整備
▽旧深谷通信所―緑豊かな公園を中心に自然、スポーツ・健康、防災、文化の要素を備えた整備の検討
▽神明台処分地―適正な維持・管理と有効な土地活用の検討
■交通の方針
【道路ネットワークの整備推進】
▽権田坂和泉線と中田さちが丘線―未整備区間の早期完成
▽ネットワークの形成―環状3号線、桂町戸塚遠藤線の段階的な整備。横浜伊勢原線や県道阿久和鎌倉などとの接続は周辺の交通に配慮
▽横浜環状道路―西側区間の整備を検討(=図=)
【安全で快適な道路空間の整備】
▽バリアフリー化―歩道の段差や勾配改善
▽安全対策―歩道の整備、あんしんカラーベルトなど
▽自転車交通―幹線道路の整備に併せ自転車通行区間の確保を検討
【公共交通の利便性向上】
▽バス路線の維持、新設、再編
▽バス路線の地域道路の拡幅や交差点改良、歩道、バスベイ整備など
▽鉄道駅や駅前広場のバリアフリー化
■環境の方針
【水辺空間の保全と創出】
▽和泉川、阿久和川で親水拠点や遊歩道などの環境整備。多自然川づくりの取り組み
【緑の保全と創出】
▽良好な緑地を特別緑地保全地区や市民の森などの緑地保全制度で保全
▽地域特性やニーズに応じた公園整備
▽地域主体での緑の創出を支援。公共用地や民有地での緑化推進
▽樹林地や公園、街路樹の維持
【農地の保全と活用】
▽中田・並木谷地区や和泉川、境川沿いの農用地区域を中心に農地の保全と整備、農地の利用促進
▽営農環境の整備支援
▽収穫体験農園や市民農園開設の支援、農園付公園の整備など
▽直売所の支援や店舗の誘致など地産地消の取り組みの支援
【環境負荷の少ない暮らしとまちづくりの推進】
▽水素エネルギーや再生可能エネルギーなどの新たな技術・制度の普及や環境問題への啓発
■防災等の方針
【地震対策への推進】
▽狭隘道路の拡幅、公園などオープンスペースの確保、建築物の耐震化、不燃化促進
▽横浜伊勢原線の無電柱化と沿道建物の耐震化、橋梁の耐震化と長寿命化
▽上下水道、ガス、電気などの耐震対策
【水害等への対策の水深】
▽境川、和泉川、阿久和川の改修と雨水貯留浸透施設の設置
▽雨水排水施設の整備
▽崖地防災対策や応急措置の支援
提供:建通新聞社