岡山県は19日開催した県議会総務委員会で岡山県国土強靱(きょうじん)化地域計画の骨子案を示した。県では国土強靱化基本法に基づき国が定めた国土強靱化基本計画に沿って、岡山県の県域における取り組みを総合的かつ計画的に推進するため地域計画策定に向けた作業を行っており、岡山県の自然災害等に対する脆弱(ぜいじゃく)性について部局横断で評価を行い、その結果を踏まえた施策の推進方法を整理した内容を骨子案として取りまとめたもの。
国土強靱化の推進方針についての骨子を見ると、個別施策分野で行政機能の災害応急体制の確保などで各機関が連携し迅速で的確な対応を行うためのタイムライン(防災行動計画)の考えを取り入れた防災業務の推進。同じく警察・消防の災害応急活動体制の確保で警察災害派遣隊の体制強化や災害用装備資機材整備、緊急消防援助隊の車両整備や計画充実・定期的な訓練実施など。
国土保全・土地利用で土砂災害警戒区域等の指定や区域内の住民の避難誘導体制の確保、緊急性の高い箇所を優先した土砂災害危険箇所の計画的な解消などが示された。横断的分野ではリスクコミュニケーションで災害リスクの把握や避難場所の確認・防災用語の理解などの普及啓発、自主防災組織の組織化と避難訓練など平時からの活動活性化。土木・農林関連施設の長寿命化、砂防関係施設の長寿命化計画策定などが挙がっている。
骨子案は、第1章が基本目標など基本的な考え方、第2章で南海トラフ地震、洪水、土砂災害など想定される7種の自然災害リスクを設定。第3章が40の起きてはならない最悪の事態に対する脆弱性評価、第4章で10の施策分野別に整理した推進方針(骨子)、第5章が取り組みの重点化方針やPDCAなど計画推進―という構成。
県では今後、9月から10月にかけて外部意見を聴取しながら、11月にかけて推進方針の検討や施策の重点化、指標設定などの素案検討を進めていく予定。12月から年明け1月にパブリックコメントを実施し、計画案を調整。2016年2月ごろに政策推進会議で地域計画を決定し公表するというスケジュールを想定している。
(提供:建通新聞社)