日本工業経済新聞社(山梨)
2015/08/21
【山梨】2カ所のため池改修計画作成し整備方向性を 甲斐市
甲斐市は、2カ所のため池においての改修計画作成を山梨県土地改良事業団体連合会に委託し、進めている。今年度に方向性を定め、来年度以降に改修作業に取り組んでいく考えだ。
対象となっているため池は竜地と大久保の2カ所。同市では、2013年度に震災対策農業水利施設整備事業による耐震診断調査を市全域にわたって実施した。この結果、ため池に関しては、周辺に民家が密集するなど万が一の場合に人的被害が発生する可能性が高いとして、この2カ所を先行して改修計画作成に着手したもの。
竜地ため池の堤高は4・7mで、貯水量はV2万9000㎥。1950年に竣工となり、07年度に堤体補修が行われている。市が防災意識の向上と減災対策の推進を目的に作成した、ため池ハザードマップによると、堤防決壊10分後にあふれた水は中央自動車道まで達し、同20分後には釜無川近辺まで迫るとされている。
85年度に水漏れ防止の改修工事が実施された堤高6・7m、貯水量V5000?の大久保ため池の場合は、0・5mに満たないものの浸水区域がため池直下で大きく広がる想定がマップに示されている。
市が管理するため池は9カ所で、13年度の調査において「施設が古い」「改修したが基準に満たない」などその状況によるグループ分けを行っている。先行させる2カ所の事業が完了次第、順次改修を実施していく方針だ。
【写真:改修計画の対象のひとつとなっている竜地ため池】