三重県健康福祉部は、県内の将来の医療提供体制に関する目標などを設定する「地域医療構想」の策定に向けて、8区域に設置した調整会議で協議を進めている。2025年における地域ごとの医療需要を踏まえて、医療機能別の病床の必要数などを盛り込む。今後、10月ごろ、地域医療構想(素案)を県議会に示し、その後、中間案で広く意見を聞き、16年3月に最終案を作成する。
同構想は、14年6月に成立した医療介護総合確保推進法により、医療計画の一部として策定する。医療機関が病床を「高度急性期」、「急性期」、「回復期」、「慢性期」の4区分の医療機能に当てはめ、県が区域ごとに必要な病床数を設定する。
構想区域については、現行の2次保健医療圏をベースにして、県内を8区域に分けた。具体的には、2次保健医療圏の北勢医療圏を「桑員」、「三泗」、「鈴鹿」の3区域。中勢伊賀医療圏を「津」、「伊賀」の2区域。南勢志摩医療圏を「松阪」、「伊勢志摩」の2区域。東紀州医療圏を「東紀州」の1区域とした。各区域で医師会など医療関係団体や医療保険者、市町などの委員で構成する地域医療調整会議を設置し、7〜8月にかけて第1回目の調整会議を開き、データ提示、課題などについて協議を行った。今後開催される第2回目の調整会議では、機能分化・連携および事業の検討を行う予定。
同構想の策定では、構想区域の設定などを経て、データの収集・分析・共有、医療需要の推計、必要病床数の推計、25年のあるべき医療提供体制を実現するための施策の検討など八つのプロセスで組み立てる。
各区域の既存病床数(15年4月1日現在)は次の通り。(カッコ内は全体数のうちの療養病床数)
▽桑員―1812床(624床)▽三泗―2780床(761床)▽鈴鹿―1562床(409床)▽津―3478床(945床)▽伊賀―1027床(624床)▽松阪―2271床(736床)▽伊勢志摩―1936床(445床)▽東紀州―885床(425床)
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建通新聞社