大阪市都市計画局は、御堂筋を中心とする船場地区約230fの活性化に向け、民間開発の誘導につながる方策などの施策化の検討に着手する。
市は、国への2016年度の施策提案で、中之島地域や御堂筋周辺地域を都市再生緊急整備地域制度に基づく地域として指定が必要と要望。併せて、事業区域面積要件を現行の1f以上から0・5f以上に緩和することを提案。船場地区の1街区面積でも開発が容易になる環境を整え、うめきたやあべのハルカスといった近年の新たな開発と同様に、「商都大阪」を代表する船場地区について、地区全体の活性化につなげたい考えだ。
15年度に実施する検討では、船場地区の現状と課題について、商業・業務、土地利用、都市機能、環境・エネルギーなどの視点から分析、特徴を明らかにするほか、船場地区の担う役割や新たに求められる都市機能などについて分析する。その上で、活性化方策案をまとめ、民間事業者などへのヒアリングを通じた施策ニーズ把握、都市再生や都市計画手法による容積率緩和や補助金、税の減免などによるインセンティブによる効果分析を行う。
調査・検討業務は、公募型プロポーザル方式で公示済み。参加申請書は8月28日まで受け付け、選定結果通知は9月24日を予定。納期は16年3月25日で、契約上限額は398万5200円。
市では同地区の活性化の必要性や、業務・商業地の相対的魅力低下への懸念に対し、13年度から検討に着手。13年3月に「御堂筋の活性化に関する検討調査報告書」としてまちの将来像をまとめ、14年度は将来像実現に向けコンセプトなどを学識経験者らの意見を踏まえ検討してきた。
14年度にまとめたコンセプトは、「オフィスミックス(活力ある業務・商業空間の創出)」「レジデンスミックス(多様な住まいの創出)」「エネルギーミックス(コンパクトエネルギーシステムの構築)」。
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建通新聞社