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建通新聞社(東京)
2015/08/18

【東京】都 延遼館復元へ基本設計

 東京都建設局は、浜離宮恩賜庭園(中央区)の迎賓施設「延遼館(えんりょうかん)」の復元に伴う基本設計作業を開始する。復元に当たって必要となる意匠や構造、資材、寸法などを解析した上で、別途委託する利活用策の検討結果を基に基本設計方針を定めるとともに、周辺の庭を含めた修景設計方針を策定。これらを基に基本設計図書をまとめる。9月17日の見積もり合わせを経て業務を委託し、2016年6月末納期で成果を得て実施設計につなげる。20年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会での活用を視野に施設整備を実施する考えだ。
 日本初の西洋風石造建築物とされる延遼館は、浜離宮内の迎賓館として1869年に完成した。木造平屋1430平方bの規模の建物で、79年に改修後も鹿鳴館が完成するまでは明治政府の迎賓施設として利用され、89年に老朽化のため解体された。
 都は、歴史的文化遺産を継承しつつ国内外から訪れる人をもてなす施設として活用するため復元することを決め、20年のオリンピック・パラリンピック競技大会の開催までに事業を完了させる方針を打ち出している。
 今回委託する基本設計業務の中で、これまでに実施した基礎調査や遺構調査の結果を整理し、復元に当たり必要となる意匠や構造、資材、詳細な寸法などを解析。別途進める利活用の在り方の検討も踏まえ、基本設計の方針を策定し、基本設計図書や工事費概算書を取りまとめる。復元に当たっては文化庁の専門委員会の了承を得る必要があるため、同委員会で使用する検討・報告資料の作成も併せて実施する。納期は16年6月30日。
 施設の利活用に関する調査検討業務は8月20日の希望制指名競争入札で委託先を決める。迎賓施設としての機能だけではなく、都民や来園者が幅広く利用できる施設とするため、ホテルやレセプション会場、飲食施設の運営事業者らのヒアリング調査、来園者へのアンケート調査などを実施。その上で、迎賓施設としての利活用方針案を作成するとともに、都民や国内外からの来園者が利活用できる施設内容を検討し、施設コンセプトや事業の枠組み(スキーム)を考える。