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日本工業経済新聞社(群馬)
2015/08/17

【群馬】前橋市が水道ビジョンを改定


前橋市は、水道事業のこれからの考え方を示した『前橋水道ビジョン』の改定を行った。本年度から15年間を期間としたもので、水道施設の今後の方向性などを示している。建設関連での主な事業では、敷島浄水場の更新を計画しており、本年度は基本計画を作成しているところ。このほかにも、富士見地区における浄水場の再編成や管内の老朽施設の更新などの方針を打ち出しており、敷島浄水場の更新後に事業を進捗していく。
敷島浄水場の配水能力は1日あたり3万3107立方m。市内では大規模な施設で、敷地内には、3つの配水池やポンプ、ろ過池、井戸水源がある。また、1996年度に文化庁から登録文化財として指定を受けた配水塔と水道資料館が配置されている。
敷地内での再構築を予定しており、本年度に策定する基本計画で、更新する施設の選定や更新方法などを決める。履行期限は年度内を予定しており、来年度を調整期間に充て、内容を詰めてから詳細設計に移る考え。前橋水道ビジョンでは、2022年度までの完了を目指している。
また、今回の改定では富士見地区内の施設再編も計画。
同地区には◇赤城山水系◇小原目水系◇西大河原水系◇竜ノ口水系◇沼の窪水系◇上西峰水系◇石井水系◇山口水系◇米野水系−の9水系が整備されている。
再編では、西大河原水系に水源を新設し、既存の水源と併せて2つの水源を確保することで安定した給水を確保するほか、同水系の南部にある竜ノ口水系と統合する。
また、沼の窪水系と上西峰水系、山口水系にある3浄水場を統合した新浄水場を設置し、ランニングコストの低減を図る。それとともに、3浄水場内にある配水場と石井水系、米野水系にある配水場を減圧槽に転換し、更新規模を縮小させる。
このほか、現在小原目浄水場内にある水源を廃止し、同水系の北側にある赤城山浄水場と水系を統合する。
市内全域にある昭和30年代から60年代に整備された施設についても老朽設備の随時更新を計画しており、敷島浄水場を含んだ15カ所で設備を更新する。敷島浄水場の更新が控えていることから、それ以外の施設は財政面などを考慮して、同浄水場の更新後の事業着手を予定している。
管路関係では◇老朽鋳鉄管の更新◇重要給水施設耐震化◇主要な配水管の耐震化−の3事業をそれぞれ計画。
老朽鋳鉄管の更新事業は、2013年度から着手しており、既存水路L12・6qを対象としている。既存管の敷設替えが困難な区間があり、その区間を迂回する必要があることから、L約15qを敷設する。事業は、18年度の完了を目指している。
重要給水施設の耐震化では、災害時に優先的に給水する必要がある箇所として防災拠点9カ所、災害拠点病院4カ所を指定し、この13施設までの基幹管路の耐震化を進める。老朽鋳鉄管更新事業の完了後に着手を予定しており、これから敷設延長などを検討していく。
主要配水管の耐震化事業は、これまでにも各所で進められており、今後も継続して実施していく。