朝日町の朝日消防署新庁舎建設設計業務プロポーザルで、最優秀に特定された創建築事務所の提案内容は次の通り。
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朝日消防署新庁舎を「地域に親しまれる防災のシンボル」とし、対応防災と予防防災の機能を充実させた地域防災の拠点としている。
【地域防災】
▽より高度な対応が求められる大規模地震や水害など様々な自然災害に対応できるよう、常に防災力を保持・向上できる。
▽大規模災害においては関係機関と密接に連携して、援助隊をはじめ様々な救助部隊の柔軟な受入態勢を可能にする。
【予防防災】
▽日ごろから消防・防災に関する様々な啓蒙活動に多くの住民が気軽に参加できるよう、開放的で親しみを感じられる。
▽消防署全体が地域への消防・防災情報の発信装置となるよう、地域の防災意識を高めることができる。
【地域の防災シンボル】
▽先進的で機能的なデザインを採用し、地域住民が気軽に立ち寄れる開放的なファサード。
▽防災のランドマークとして消防署らしいデザインとし、建物の正面は隣接する町役場とそろえて配置し景観の調和を図る。
▽敷地周囲から緊急車両や職員の訓練の様子が見えることで、地域住民は安全・安心を感じ、消防活動への関心や防災意識を高めるための啓蒙活動として整備し、地域に広く利用されることを目指す。
基本方針には(1)災害応急対策の拠点(2)様々な機能(3)地震に強い(4)人と環境にやさしい―の4つを示している。具体的には(1)でスムーズな出動車両動線や町役場と連絡する渡り廊下の設置、町役場と相互利用が可能な会議室、ホースを手入れしやすい広場と乾燥設備など。(2)では庁舎と訓練場の一体的な施設利用や将来の機能増強に対応する設備空間、女性に配慮した質の高い職場環境、採光・通風を確保するライトコートなど。(3)で耐震安全性と信頼性の高い上部構造、振動応答解析で設計する通信鉄塔、スムーズに出動できる外構計画、設備機能を継続使用できる庁舎など。(4)では車両点検時の排気ガス対策や建築設備における省エネ・省資源化、建物の長寿命化とローメンテネンス化、太陽光エネルギーの発電利用などを盛り込んだ。
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建設地は町役場東側の町有地約5000平方メートルで、延べ床面積は1400平方メートル程度を想定。16年7月の着工、17年9月の完成を目指す。