日刊建設工業新聞
2015/08/12
【鳥取】県測協・県土整備部が意見交換会/成果品重点確認価格引き上げ 発注平準化では計画的対応を
県測量設計業協会(大野木昭夫会長)は11日、担い手の確保や魅力ある業界に向けて成果品重点確認価格の90%への引き上げや、業務発注の平準化を県土整備部に要望した。同部は重点確認価格について(予定価格の)上限85%の妥当性を検証するとしたほか、発注の平準化では計画的な発注に努める考えを示した。
成果品重点確認価格で、県測協は「企業経営の改善や賃金アップが必要」と訴え、90%への引き上げ検討を要請。長谷川具章部長は「上限を85%にした10年前に比べ、担い手の育成など新たな課題が浮上している。処遇改善や賃金水準を踏まえ、(85%が)妥当かどうか検証したい」と答えた。
発注の平準化では、検査全体の3分の1が年度末に集中している状況。県測協は「4−5月の閑散期が経営に影響を与える」と改善を要望した。同部は「前年度から計画的に対応することが重要」(技術企画課)とした上で、繰り越しやゼロ県などを柔軟に活用する考えを示した。
また、県測協は業務評定の付け方に個人的なバラツキを指摘し、担当課の複数職員でチェックする仕組みを求めた。これに対し同部は「8月に研修を始めている。引き続き秋には具体事例を分析して理解を深めたい」とし、チェック体制では「課内の課長まで確認する体制をつくる」と(同課)回答した。
このほか、複合業務などで県測協は「入札する際の資格者配置が過剰になっている」と改善を要望。長谷川部長は「人材の活用や、良質な品質を確保するため」と前置きした上で、「過剰が見られれば改善したい」と事例の提示を求めた。
会合には県測協の大野木会長ら30人、県からは長谷川部長ら8人が出席。長谷川部長は、生産性の向上や担い手の育成に取り組む必要性を強調し、「パートナーである協会が健全に発展するよう努力したい」と話した。
大野木会長が陳謝
県との会合冒頭
自身の会社・サンイン技術コンサルタントが先月、労基法違反の疑いで書類送検された問題で、県測協の大野木昭夫会長は11日「建設業のイメージダウンは計り知れない。お詫びしたい」と述べ、会合に出席した会員に陳謝した。県との会合の冒頭、大野木会長は時間外労働について「昔から1−3月期は忙しいものと安易に考えていた。深く反省している」と話した。その上で「1−3月の多忙な時期を改善しなければ、業界の未来は開けない」とし、コンサル業界全体が抱える問題との認識を示した。また、会長としての進退については「残された任期が半年。今、解決しなければならない課題もある。思慮したが継続したい」と語った。