大阪府と大阪市が進める津波浸水対策施設の強化で、防潮堤強化の取り組みが着々と進展―。府は、南海トラフ巨大地震などの地震発生に伴い、基礎地盤が液状化し、防潮堤が変位・沈下することによる浸水を抑えるための液状化対策工事で、2014年度からの3年以内に対策工を完了するとしている区間の延長8・7`のうち、約91%に当たる延長7・9`で工事発注を7月末までに完了。残る0・8`区間についても15年度内に工事発注し、16年度中に完了する見込みであることを明らかにした。
府域の津波浸水対策が必要な延長は、府管理分で57・4`(河川34・7`、海岸22・8`)、市管理分で46・6`(河川13・9`、海岸32・7`)に及ぶ。
14年度を初年度として23年度までの10カ年で対策完了を目指しており、水門よりも外側の第一線防潮ラインの対策を最初の5年間で取り組んでいる。その中でも、地震直後から満潮位で浸水が始まる箇所は最優先で取り組む区間とし、初年度から3年間で整備完了を計画。また、第一線防潮ラインより内側にあっても、地震直後から満潮位で浸水が始まる箇所は最初の5年間で対策を完了させる。
対策箇所の構造物照査の状況は、府管理分は、5年対策区間27`で完了、10年区間21・8`もおおむね完了している。10年の区間は、現場着手までに詳細を検討するとしている。
市管理分では、河川を管理する建設局が15年度中に全区間13・9`で照査を完了するとした。一方、海岸を管理する港湾局は、5年・10年の対策完了に間に合うよう随時照査を進める。
府市全体の整備・発注済み延長、および主な河川ごとの整備・発注済み延長は表の通り。
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建通新聞社