県内の学生を対象に、立山と砂防の関わりを楽しみながら理解を深めてもらう「SABO体験楽校」が、4日から6日の2泊3日の日程で開催された。
第19回の今回は、県立桜井高校と県立富山工業高校から計8人が参加。砂防現場の実体験や工事施工に携わる人々との交流を通し、学校の授業では得難い砂防事業を実際に体験した。主催は、北陸地方整備局立山砂防事務所、一般財団法人富山・水・文化の財団。
初日の開校式では、長井隆幸立山砂防事務所長があいさつ。参加者を紹介した後、事務所前で記念撮影した。一行はその後、立山カルデラ砂防博物館を見学。立山や立山カルデラの自然、歴史のほか、土砂災害などに理解を深めた。続いて、立山砂防事務所からトロッコで移動。中小屋連絡所上流で、軌道の枕木交換を体験した。
翌5日は、午前にカルデラ内を見学した後、「有峰地区渓岸対策(二の谷)工事」で現場作業を体験。立山カルデラで働く作業員の憩いの場でもある露天風呂「天涯の湯」の清掃作業も行った。午後からはカルデラ内の見学後、「湯川第13号砂防堰堤工事」と「有峰下流左岸山腹工事」の現場でそれぞれ現場作業を体験した。
最終日の6日は、水谷出張所から立山砂防事務所へ移動。閉校式が開かれ、参加者に修了証書が授与された。参加者を代表し、桜井高校3年の畠山哲也さんが、「参加した理由は様々ですが、実際に参加した今では立山カルデラにおける砂防事業の重要性について、皆共通の認識を得たと思います。中でも特に印象に残ったのが山腹工事でした。ロープ1本に命を託し、危険な現場で従事する作業員の方々はすごいと感じました。今回の貴重な体験を通して、富山平野を守る立山砂防の重要性をこれから身近な人に伝えていきたい」と感謝の言葉を述べた。