建設新聞社
2015/08/10
【東北・福島】イノベーション・コースト構想ロボット産業集積の実証区域に南相馬市工業用地
福島県と経済産業省は、福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想の柱となる「ロボット産業集積」の実現に向け、浜通りの公共インフラを実証フィールドとしてロボット開発事業者に提供する取り組みを進めているが、このほど南相馬市の下太田工業用地(約8・8f)が初の実証区域に決定した。
実証事業者は、福島市のMTS&プランニング(共同事業者エンルート)で、12日からマルチコプターを使用した搬送等の試験飛行を行う予定となっている。
イノベーション・コースト構想は、東日本大震災および原子力災害に伴い、いまだ多くの避難者を抱える福島県浜通り地方に新たな産業を創出し、ソフト・ハード両面から長期的視野で地域再生を目指そうとする取り組み。
構想には、ロボット関連産業や再生エネルギー関連産業を集積して帰還者の雇用を確保するほか、長期化が予想される福島第一原子力発電所の廃炉作業を円滑に進めるための実証・研究拠点整備などが盛り込まれている。
ロボット産業の集積に向けて最初のステップとなる「浜通りロボット実証区域化」は、政府が2014年9月から15年1月にかけて開催したロボット革命実現会議のなかで決定した。
実証事業者については、県と同省が4月から5月にかけて公募を行い、災害対応ロボットやインフラ点検用ロボット等の研究開発を行う12事業者から橋梁、河川、山野など28区域での実証希望があった。今後は、応募者と実証区域を提供する市町村との調整を図り順次実証を開始する。
提供:建設新聞社