別府港湾・空港整備事務所は、24年度から大分港西大分地区複合一貫輸送ターミナル改良事業を行っている。総事業費約42億円で、岸壁の耐震、泊地浚渫、北防波堤の地盤改良が中心。当初は28年度内完成を予定していたが、土質調査をしたところ、北防波堤の海底から約60bの深さまで粘性土が堆積していることが判明したため、地盤改良工事の追加と工事延長を7月の九州地方整備局の事業評価委員会に諮った結果、事業費22億円の増額と事業期間を33年度まで6年間延長することが決まった。
西大分地区は、フェリーターミナルがあり、大分〜神戸航路のフェリーが運航している。県内立地の自動車メーカーへの部品、樹脂などの工業製品、食料品などを年348万d(26年)を取り扱っている。また、旅客乗降人員は、帰省、観光など約16万人(同)が利用している。しかし、航路幅、水深不足箇所があり、ふ頭用地が狭い。このため、ターミナルを改良し、航行の安全を確保し、岸壁の耐震強化で大規模地震時の緊急物資輸送機能を確保する。
27年度は、当初予算に2億9200万円を計上。継続事業で岸壁(マイナス7・5b、L=230b)の耐震工事は約430平方bをさきに総合評価落札方式(技術提案評価型S型)の一般競争入札で公告した。9月2日に開札する。地盤改良工法を従来型の1流線式高圧噴射攪拌工法から新技術の2流線式高圧噴射攪拌工法(FTJ工法)に変更して、コスト縮減を図っている。
また船が旋回する水域を確保するための泊地(マイナス7・5b)は、磁気探査を大和探査技術鰍ェ受注した。泊地の浚渫工事は、一般競争入札(総合評価型)で、8月11日に開札。合わせて浚渫工事の影響を調査する水質調査(浚渫前、浚渫中)を簡易公募型競争入札方式(総合評価落札方式)で、8月25日に開札する。これらの工事・業務の履行期限は12月25日。
粘性土対策のために工事を延長した北防波堤の地盤改良追加工事は、総合評価落札方式(施工能力評価型I型・標準型)の一般競争入札で公告した。今回は敷砂(V=約9200立方b)のみで、28年度にサンドコンパクションで固める。機雷などの磁気探査の業務も含む。
岸壁の耐震工事など、28年度以降も工事・業務を継続して発注する。
※海底の地盤改良工法=地盤にセメント系固化材を注入・混合撹拌し、土を化学的に固結させる工法。2流線式工法は2本の噴流で2倍の速さで地盤改良ができる。
提供:
大分建設新聞社