建築文化拠点施設整備検討懇話会の水野一郎座長は6日、山野之義金沢市長を訪ね、建築家の故谷口吉郎氏生家(寺町5丁目)を建設候補地に、地方自治体初となる建築文化拠点施設(博物館施設)の整備方針などを盛り込んだ同検討懇話会報告書を提出した。
懇談の中で、水野座長は「金沢の建築文化は色んな時代の層が重なり、この凄さが全国的にもなってきた」とし、新たに建設を目指す施設については「アカデミックな建築文化の収集と、金沢21美、鈴木大拙館のように市民や旅行者が親しめ、建築文化を知ってもらえる拠点となるよう期待する」と述べた。山野市長は「生家の場所は寺町台重要伝統的建造物群保存地区のある種入口で、犀川の水のせせらぎが聞こえ、眺望も素晴らしい。金沢にとって大切な場所でもあり、懇話会の思いをしっかり受け止め、計画を進めていく」と答えた。また、水野座長は施設の設計者にも触れ、「敷地を知り、建築文化に造詣が深い方が相応しく、谷口吉生氏は設計候補者の一人」と語った。
なお、同施設の基本的な考え方は「藩政期以降の歴史的建造物や近代建築の保存・活用に加え、魅力的な現代建築がまちに新たな価値を付加している本市の重層的な建築文化を、国内外に永続的に発信する拠点」としている。市では報告書提出を受け、基本計画の策定などを進めていく。