国土交通省岡山河川事務所は、2014年度から高梁川直轄河川改修事業(小田川合流点付替え事業)に向けた準備作業を進めている。15年度は4億7400万円を予算化、全体施工計画の修正検討などを予定しており、簡易公募型プロポーザルで選考作業を行っていた小田川付替区間の河道検討などの業務について7月末に日本工営(東京都)を特定した。
業務は小田川の付け替え区間約3・4`の河道をはじめ多自然川づくり、地下水への影響などの検討。内水処理施設の概略検討など。履行期間は契約後16年3月末まで。
高梁川と小田川の合流地点付近は、洪水時に高梁川側の河川水位が回り込んで小田川のスムーズな流下を阻害し、小田川側の水位が高くなるという背水影響特性がある。小田川の河床勾配も高梁川に比べると緩やかで、合流点付近で流下が妨げられることで流域一帯に浸水被害が生じる要因ともなっているため、改修事業は小田川の河道を倉敷市船穂町の柳井原貯水池などを経由するルートに付け替える計画。合流点を現在より約4・6`下流に下げることで小田川の流下をスムーズにするというもの。想定する付け替え河道は延長3・4`、代表川幅約200b。計画高水流量毎秒2300立方bを見込んでいる。総事業費280億円、28年度の事業完了を想定している。
合流地点を変更することで、現在の合流地点付近にある矢形橋地点の水位は約5b下がると見込まれ、小田川流域の浸水安全度が大幅に改善されるほか、高梁川左岸水衝部の倉敷市酒津付近の水位も約40a下がると試算、倉敷市街の洪水に対する安全度改善にもつながる。
(提供:建通新聞社)