九州電力鰍フ子会社、九電みらいエナジー梶i福岡市、穐山泰治社長)が、九重町菅原に建設していた菅原バイナリー発電所が完成、5日、現地で竣工式があった。同発電所は、地熱発電事業としては、自治体(九重町)と民間企業が協働で行う全国初のケース。バイナリー発電は、国内で3ヵ所目で、最大出力5000`hは、バイナリーでは国内最大規模。
バイナリー発電は、地熱発電方式のひとつで、地下から噴出する蒸気と熱水(バイナリー)で沸点が36・1度のペンタン(炭化水素の液体)を蒸発させ、その蒸気でタービンを回し発電する。発電所から数百b離れた地熱井からパイプで熱水と蒸気をプラントに引き込んでいる。
設計は西日本技術開発梶i福岡市)、土木工事は西技工業梶i同)、プラント工事は西日本工業梶i同)と葛纉d工(同)が請負った。
九電みらい社は、九電が再生エネルギーの開発、導入をさらに促進するため26年7月に設立。九電の再生エネ部門と子会社の西日本環境エネルギー梶A潟Lューデン・エコソルの再生事業を集約し、再生エネ全般の開発体制を整えた。その一環で、九電みらい社が、同町で地熱開発を計画していた西日本環境エネルギーから事業を引き継ぎ、発電所を建設した。
協働の発電事業とは、九重町が所有する地熱井から、九電みらいに蒸気と熱水を供給する。九電みらい社は、発電所の設置と運営をし、九電に売電する。町は、九電みらい社から熱使用料(年間1億円程度)を得て、両者は安定した収入が見込める。
式には、穐山社長、太田豊彦副知事、坂本和昭町長、瓜生道明九州電力且ミ長、工事関係者など約70人が出席。玉串をささげ工事の無事完成に感謝し、発電所の安全安定操業を祈願した。
坂本町長は「大分県は再生可能エネルギーが日本一。その要因は九重町の地熱発電や水力発電と考える。温泉のある観光地に配慮しながら、地熱を利用したまちづくりを進める。これが地方創生でもあると思う」、瓜生九電社長は「地熱発電は、地元と共存共栄が大事。地域の経済、生活など持続的な発展に寄与する」とあいさつした。
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大分建設新聞社