日本工業経済新聞社(群馬)
2015/08/05
【群馬】環境森林部の全工事を2人監督員制へ
県は『建設工事監督員の指定事務の取扱要領』を一部改正する。環境森林部発注の全工事で、担当係の係長以上の監理監督員と担当職員である監督員の2人を指名することとする。常に係長と担当職員の2人体制とすることで、監督技術の継承やチェック機能の充実を図る。また、監理監督員については環境森林部と農政部の全工事、県土整備部は2500万円以上の工事で、担当係の係長以上の職員から任意で設定できることとする。10月1日から適用する。
これまで、環境森林部では請負金額2500万円以上という比較的高額な工事に限り、監理監督員と監督員の2人を指名していた。2500万円未満の工事の監督員は1人だった。県土整備部も同様に2500万円を区切りにしている一方で、農政部は金額の縛りを設けず、全ての工事で2人の監督員を指名している。
県では、建設工事必携の改訂作業が進められており、『建設工事必携改訂検討委員会』の中で、環境森林部から「全ての工事について複数の監督員を指名することとしてもらいたい」とする意見が出された。これを踏まえ、取扱要領の一部を改正し、環境森林部発注の全工事を2人監督員体制にすることとした。県土整備部は発注工事件数が他部局と比べて圧倒的に多く、監理監督員の数が足りず、全工事を対象にすると監理監督員に負担が掛かり過ぎるため、従来通りの扱いとする。
森林保全課の担当者は「森林職の新採用が増え、森林土木を担当する新人も増えてきた。年齢バランスが極端になっている中で、世代間の技術継承は大命題。常に係長と担当職員の2人体制とすることで技術の継承を図りたい」と話している。これまで以上に係長と担当の関係を密にし、技術を継承していくという理念に基づく改正となる。
同課によると、昨年度の環境森林部発注工事は契約ベースで263件ある。このうち2500万円以上の工事は62件(23・6%)にとどまる。残りの201件(76・4%)は2500万円未満の規模で、1人監督員体制だった。本年度の2500万円以上の工事の割合も昨年度とあまり変わらないといい、技術継承を図る機会が増えることが期待される。
また、監理監督員については、これまでは5000万円以上は係長、5000万円未満は担当係の係長以上の職員から設定していたが、環境森林部と農政部では全ての工事、県土整備部では2500万円以上の工事で、担当係の係長以上の職員から任意で設定できることとした。事務所執行の金額が拡大変更されていることなどが理由だ。