株式会社ウェンティ・ジャパン(秋田市中通五丁目1の51、佐藤裕之代表取締役社長)は、計画する(仮称)秋田・潟上ウィンドファーム風力発電事業に関し、環境影響評価準備書の縦覧を開始した。方法書では風力発電機について、3案(2,000kW級、3,000kW級、5,000kW級)を選定していたが、3,000kWを22基設置し、最大出力66,000kWを目指す方針を固めた。年度内の契約を目指しEPC選定に着手するほか、国の設備認定へ向かう見通し。
同事業は、地域の自立したエネルギーとして再生可能エネルギーの重要性や電力供給ビジネスとしての関心が高まっていることから、その導入を推進し、エネルギー自給率向上など地域共存型の風力発電産業の拡大に寄与するもの。着工は来年10月を予定している。
施工地は、潟上市天王の出戸浜海水浴場付近から秋田市下新城中野の秋田マリーナ付近までの延長約6km、約360ha。県有保安林を含む範囲となっており、県と運転開始から20年間の貸付契約を結んで事業を行う。
整備では、定格出力3,000kWのアルストム製の風車22基(ロータ直径109.8m、ロータ中心までの地上H80m)、変電所1棟、送電線設備(33kV・L約7,500m)を設置する。送電線設備は、コンクリート柱による架空と地下埋設を予定している。採用するアルストム製の風車は、3MW級の中でも音響パワーレベルが低いとされている。
工事では、土木基礎工事や電気、風力発電機据付、工事用仮設備設置、工事用道路整備を行う。土木基礎工事では、工事用道路や機材置き場、作業ヤードを確保するための造成、種子吹き付けまたは植栽などの緑化(約12.1ha)を行う。電気工事では、東北電力の秋田臨海線鉄塔へ連係させるための変電所工事のほか、変電所と開閉所、開閉所と各風力発電機を接続する配電線工事を行う。なお、開閉所から風力発電機までの配電線は、管理用道路等に地中埋設する。
工事用仮設備設置では、仮設休憩所や仮設トイレを設置。工事用道路は総延長6,018m、改変面積約5.8haで、このうち約2.4haは工事終了後に緑化する。
今後は、秋田市役所本庁舎や市民サービスセンターなどで来月4日まで準備書の縦覧を行って、国の設備選定に向かう見通し。来年度は10月から造成に着手し、平成29年3月からは風車基礎工事、風車運搬・据付工事、電気・送電線工事を推進。30年3月から試運転調整に着手するほか、造成や電気・送電線工事を継続する。運転開始は同7月となる見通し。
また、同社SPCの株式会社ウェンティ・パル向浜(秋田市中通五丁目1の51、佐藤裕之代表取締役)が秋田市新屋町字砂奴寄地内で計画する(仮称)向浜V風力発電についても、年度内のEPC契約を目指している。2,495kWの風力発電機を3基設置し、出力合計7,485kWを整備するもので、来年3月に工事を開始する予定。運転開始は平成29年1月を目指している。
提供:秋田建設工業新聞社