福島建設工業新聞社
2015/08/04
【福島】CLT普及へ/工場実現可能性を検討
県農林水産部は今年度、本県におけるCLT(直交集成板)生産拠点設置に向けた基本計画等を検討、需要面を含めて課題や見通しを整理し、CLT推進計画を策定する。「CLT工場実現可能性調査等業務」として外部委託するため、3日付で公募型プロポーザルを公告した。
CLTの展開をめぐっては、近く学識者や木材関係事業者などを交えた産学官による検討組織の立ち上げも予定されており、検討業務の成果をここで議論しながら、年度内の成果とりまとめを目指す。
CLTでは林野庁と国土交通省が、中高層建築物等への活用による新たな木材需要の創出に向けて、ロードマップを示すなどしているが、本格的な普及はこれからで、県は県内で事業を展開する上での課題や解決策を洗い出し、国のイノベーション・コースト構想や県内の既存製材、加工工場との連携等も踏まえながら、本県で加工体制を構築する場合の実現可能性を検討、基本計画を立てる。
生産拠点の実現可能性と合わせ、CLTを用いた需要面の検討も行う。
県は、業務委託の手続きと並行して、検討組織の準備も進めている。民間ベースの組織となる見通しで、業務の委託中間段階等で成果を検討組織に上げ、議論をしてもらう。
プロポーザルは、過去5年内に国、地方公共団体発注の、一定の業務実績を持つ単体、共同企業体を公募。参加表明(期限19日)、企画提案書(同24日)を受け付けた上で、8月下旬のプレゼンテーション・ヒアリングを経て委託候補者を選定する。履行期限28年3月18日。