水資源機構(さいたま市)は、桑名市長島町で管理する長良川河口堰について、東日本大震災後に改定した河川構造物の耐震性能照査指針に基づく耐震性調査を2012年から継続して進めている。同機構中部支社(名古屋市中区)によると、「構造物の現状について、耐震性は問題ない」とし、現在進めている調査の完了時期については、今のところ未定。
長良川河口堰は94年に竣工し、本格稼働から20年を迎えた。同機構によると、95年に発生した阪神淡路大震災の直後に1回目の耐震性調査を実施。その後、南海トラフ巨大地震と、河口堰の近くを通る長さ約60`の養老―桑名―四日市断層帯で想定される地震に関して、国土交通省の指針に従い2回目の耐震性調査を、07から09年にかけて行った。
現在継続中の耐震性調査の進捗については、構造物の下部部分をほぼ完了しており、上部部分を中心に進めている状況だ。同機構中部支社は、一部報道で指摘された耐震化未着工について、「これまでに行った2回の調査では問題がなかったので、耐震対策は実施していない」とした上で、「今、実施中の調査結果を待つしかない」としている。
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建通新聞社