県商工労働部産業振興課は、水素の利活用についての検討を行うため、有識者による研究会を今月中にも立ち上げる予定。年度内に4回程度の会合を開き、研究成果を公表し、産業やまちづくりなど各分野での水素の利活用に役立てる。また、研究会の立ち上げに先立ち、水素エネルギーについてのインターネットによるアンケート調査を実施し、その調査結果を公表。水素社会の構築に向けて必要なこととしては、設備価格の低減が約8割を占め、続いて水素ステーションの整備・拡充などが挙げられた。
研究会での主な研究内容としては、@県内において水素を利活用できる分野の洗い出しA各分野における水素利活用に関する課題の整理B課題解決のための手法の検討――などが想定される。このうち水素を利活用できる分野では、公共交通機関及び交通インフラ、京葉コンビナート(水素生成、醸造)、防災・危機管理(水素の非常用電源としての利活用)などが検討課題となる見通し。
国では昨年6月に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定するなど、水素社会の実現に向けた取り組みを加速させている。これを受けて、本県は京葉コンビナート抱えるなど、水素の一大拠点として機能していくことが期待されることから、県として水素をどのように利活用すべきか、県の特徴を踏まえた研究を行うこととした。
一方、同課では研究会の立ち上げに先立ち、インターネットによる「水素エネルギーについて」のアンケート調査を実施。調査は5つの設問を設け、本年5月27日から6月9日まで1628人の協力を得て実施。このうち197人から回答(12・1%)を得た。
アンケートでの設問のうち、水素エネルギーを普及させ水素社会の実現のために必要なことでは、「設備(燃料電池自動車、エネファーム)価格の低減」が81・7%と最も高く、「水素を充填する水素ステーションの整備・拡充」が75・1%、「性能(燃料電池自動車の走行距離など)の向上」が56・9%、「補助制度の拡充」が42・6%などとなった。
また、京葉臨海コンビナートの副産物として発生する水素の純度を高めて燃料として供給していることを知っているかをたずねたところ、「知らない」が86・8%で、「知っている」の13・2%を大きく上回った。
水素エネルギーを利活用できる分野があると思うかについては、「わからない」が54・3%で、「ある」の42・1%を上回った。
利活用できる分野が「ある」と答えた人に分野をたずねたところ、「京葉臨海コンビナート」と「省エネ・再エネによるまちづくり」が62・7%と最も多く、次いで「成田空港」55・4%、「産業・農業」39・8%、「圏央道・アクアライン」37・3%、「その他観光施設」30・1%などだった。
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