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秋田建設工業新聞社
2015/08/03

【秋田】秋田県下水道課/県北広域汚泥処理/基本案など着手へJSと協定

 秋田県下水道課は、県北の生活排水処理汚泥を集約処理する広域汚泥処理施設の建設に関し、7月30日付で日本下水道事業団(JS)と「秋田県県北地区広域汚泥処理事業実施支援に関する協定」を締結した。協定の柱は基本設計に関する事項と入札事務支援で、基本案には汚泥量の予測や汚泥性状の設定、事業範囲・責任分界点の設定、概算事業費の算定などを盛り込む。入札契約事務支援では、落札者の決定基準や入札契約形態の整理などを行う。
 事業は県と市町村協働のアクションプランとして策定した「あきた循環のみず推進計画」の一環で、県北地区でそれぞれが処理している下水道や農業集落排水、浄化槽、汲取し尿などの汚泥処理を一体的にカバーするもの。下水道やし尿処理など異なる事業間で、県を含め8団体という規模で3つの広域行政圏にまたがる共同事業は、同分野において全国初の取り組みとなる。
 事業には鹿角市、小坂町、大館市、能代市、八峰町、藤里町、鹿角広域行政組合、能代山本広域市町村圏組合が参画。整備では米代川流域下水道・大館処理センター敷地内に汚泥燃料化施設や汚泥受入貯留施設を建設する。単なる汚泥処理ではなく、固形燃料化によりバイオマス資源として活用する予定となっている。
 関連して3つのし尿処理場(中央衛生処理場、大館市し尿処理場、鹿角し尿処理場)を下水道へ接続し、汚水処理の効率化も図る。
 新施設の処理能力は一日あたり40t。いずれの施設も土木(躯体)、建築(施設棟)、機械設備、電気設備、その他付帯設備の各工事が発生する。総事業費は30から45億円と試算されているが現時点の概算で、今後進める設計などで詰められる。
 建設の経費は国費を除いた額を県と関連団体とで2分の1ずつ負担。関連団体の負担額は想定汚泥量比(供用開始後20年間に想定される処理汚泥量比)で按分する。
 維持管理費の対象額は県起債元利償還金と施設維持管理費とし、維持管理費は全額を関連団体の負担とする。関連団体の負担額は実績汚泥量比(年度ごとの実績処理汚泥量比)で按分する。
 今回、JSと締結した協定の契約期限は来年3月24日。成果品を踏まえて県では今年度中に入札契約形態などの方針を決めたい考え。来年度には詳細設計や施工者を公募し、同年度内の選定を目指す。

提供:秋田建設工業新聞社