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建設経済新聞社
2015/07/30

【京都】“流れ橋”流れにくい構造に 非出水期の10月から工事

 上津屋橋(流れ橋)のあり方を検討する京都府の委員会が30日、流れ橋近くのやわた流れ橋交流プラザ四季彩館(八幡市上津屋)で開催され、復旧方針を確認、検討を終了した。これを受け府は非出水期の10月16日以降に現場の工事に入り、28年3月末までの完成を目指す。
 復旧方針の「木橋による復旧を基本に、流出可能な構造を踏襲する」「橋脚間は現状の2倍以内の範囲で広げる」「下部工は耐久性向上のため一部コンクリート構造とする」「橋面の嵩上げは0・75mとする」「高欄は設置しない(挟み木の高さを10〜25pで検討)」を踏まえ検討を進めた。
 増水時の流木等の影響を低減するため、橋脚間の長さは従来の平均4・9mから9・1mに延長。現橋の橋脚73基から復旧後は橋脚40基となる。堤防近傍に繋留脚を設けないため、堤防への影響が少なくなる。支間長を長くし、下部工基数(40基)が少なく、流木等の引っかかりによる影響が小さくなる。上部工の繋留長が短く、繋留脚への負担が小さいため、上部工の破損・流出が少なくなる。杭木はコンクリート構造(PHC杭、茶色着色)とする。
 橋面の嵩上げ高さは現橋のイメージを損なわない範囲で、転落の危険性を考慮し検討した結果、1m未満とした。5年に一度の流出を想定すると0・75m、10年に一度の流出を想定すると1・50mの嵩上げが必要とし、最終的に0・75mに決めた。
 復旧後の橋は、支間長が平均9・1m(8・7m〜10・1m)。上部工は木構造(φ300+φ220)×4主桁。φ220は支間中央部のみ。下部工は木+コンクリート製橋脚(松杭+PHC杭)、通常脚、繋留脚ともPHC杭(φ300、杭長L12・0m)3本、木杭2本。橋長は現橋と同じ356・5m。
 土工部への取付構造は、勾配をつけた橋梁1スパン分+土の嵩上げにより、路面への取り付けを検討している。
 現橋の挟み木はφ200o木材の2つ割。復旧修繕にあたり、現橋に近い蹴上高H125o案と橋梁等の歩車道境界縁石の高さと同等の蹴上高H250o案を比較した。現橋に近いH125o案とする方針を固めた。
 30日の上津屋橋(流れ橋)あり方検討委員会では、委員会の前に、再利用する木橋の材料の状況などを確認した。
 橋りょう詳細設計等はセントラルコンサルタントが担当。府は27年度当初予算に復旧事業費4億0600万円を確保している。