プレストレスト・コンクリート建設業協会(PC建協、則久芳行会長)と四国地方整備局(石橋良啓局長)との意見交換会(写真)が27日、高松サンポート合同庁舎で行われた。PC建協から則久会長をはじめ秋月伸治四国支部長ら役員が出席。生産性の向上▽生産システムの合理化・高度化▽インフラ長寿命化への対応―の3点について提案・要望した。特に若手技術者の確保・育成が極めて深刻な実情を訴え、担い手確保問題の解決に向けた議論を交わした。
PC建協は施工実態調査を踏まえて工期延長発生の現状を報告。国の発注工事171件のうち42%の工事で工期延長が発生し、その要因として下部工の遅れや協議の遅れ、設計の不備などを挙げ、労務・資機材の集中的な投入による「ムリやムラの発生や労働環境、労働条件の悪化が懸念される」との問題を指摘。適切な工期設定での発注を要望した。
また、余裕期間試行工事をPC工事に積極的に採用するよう提案。配置技術者も余裕期間は工事現場が不稼働となるため「配置は実工事期間の始期から終期までにしてほしい」と要望した。
四国地整は、これに対し標準歩掛における必要作業日数や休日、雨天等による不稼働日を考慮し「適切に工期を設定している」とした上で、「必要に応じ配置予定技術者の設置を要しない、余裕期間を設定した工事を活用している」と回答。工期内完成の場合の監理技術者の専任について、「工事完成後、検査が終了し事務手続きや後片付け等のみが残る期間は工事現場への専任は要しない」などと述べ、適切な運用を強調した。
PC建協は月別工事量の平準化で分任官工事での積極的な翌債工事の採用を要望し、地域における担い手確保と建設生産システム維持の観点からも管内の年度工事量の平準化が必要だとして「地域発注者協議会」を通じた地方自治体の指導を含む対応を提案。四国地整は「翌債などの明許繰り越し制度活用を今後も継続し、四国品確協各県部会を通じ発注者間の情報共有を一層緊密にする」などと回答した。
このほか、プレキャストPC床版による全面的な取り替えの採用要望に対し「橋梁の損傷状況や現場条件等を考慮し活用を検討」。PC構造物維持修繕工事でのPC技士、コンクリート構造診断士の活用は「本省や他地整と情報共有しつつ総合評価方式での活用を検討する」と前向きな姿勢を示した。
提供:建通新聞社