鹿児島建設新聞
2015/07/29
【鹿児島】垂水市深港川、3回目の土石流
6月末に垂水市牛根地区深港川の上流で発生した土砂崩れに伴う土石流災害。7月5日にも2回目の土石流が発生するなど、予断が許されない状況が続いていたが、28日午後0時44分に土石流が発生。現場には三たび緊張が走り、国道220号の深港橋は、全面通行止めとなった。
垂水市は、今回の土石流発生によって国道220号に架かる深港橋に大量の土砂が流れ着き、河川断面を塞いでいる状況のため、午後2時に災害警戒本部を設置。また、深港振興会75人41世帯に対し避難勧告を発令した。午後4時現在、1次避難所1カ所(牛根地区公民館)を開設し、4人3世帯が避難。人的被害はない。
今月1日には、国土交通省の専門家による現地調査が行われ、今後も斜面からの湧水量を注意深く観測する必要があることを確認。同省の国土技術政策総合研究所の國友優室長(元大隅河川国道事務所長)は「長雨による地下水の影響で斜面が崩壊。オーバーハングしている個所もあり、崩壊する可能性がある」と話していた。
また、6月25日のTEC−DOCTORによる現地診断でも、鹿児島大学の地頭薗隆教授が「6月の1000oを超える雨で、地層深い所にたまった大量の地下水が関与した崩壊」と発生のメカニズムを説明。「斜面上部に亀裂がある可能性もあり、引き続き厳重な警戒が必要」と注意を呼び掛けていた。
今回の土石流発生に伴い、国道220号に架かる深港橋は全面通行止め。また、「災害時における応急対策に関する協定」に基づき、前回同様に鰹纈テ建設と叶X組に対して応急作業の支援を要請した。