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日本工業経済新聞社(山梨)
2015/07/28

【山梨】国道411号で歩道整備し電線共同溝 県峡東建設の15年度事業

 県峡東建設事務所(細川淳所長)はこのほど、2015年度の主要事業をまとめた。
 甲州市勝沼での国道411号拡幅は歩道設置や電線類地中化を予定しており、このうち歩道設置(L300m)は9月までに発注となる見通し。ほか道路事業では、笛吹八代スマートインターチェンジ(SIC)から接続する県道2路線(甲府笛吹線L210m、藤垈石和線L250m)の交差点改良を計画している。
 河川・砂防関係では、蟹沢川付け替えと日川通常砂防の年度末完了を目指して工事を継続するほか、山沢橋設計や渋川の調査計画の業務を実施。都市計画道路の塩の山西広門田線(U期)および山梨市駅南線(T期)は、本年度も引き続き用地買収を進めていく方針だ。
 同事務所15年度の主要事業は次のとおり。
 ◎道路事業
 【国道411号勝沼拡幅(甲州市勝沼〜等々力)】
 歩道設置を含めた道路拡幅事業。東雲小学校の通学路になっているため、安全な歩行空間を確保するとともに景観に配慮して電線類の地中化を行う。
 全体計画は延長2000m、幅員6・5m(全幅13m)規模で、総事業費は約34億円。昨年度までに用地買収、歩道設置、大塚橋の建設を実施し、本年度は引き続き用地買収を進めるとともに、等々力交差点より歩道設置、電線共同溝の工事を行う予定。
 【甲府笛吹線、藤垈石和線(笛吹市八代町南)】
 笛吹八代スマートインターチェンジ(SIC)へのアクセス整備を行う。同SICは「本線直結型」として、甲府南インターチェンジと一宮御坂インターチェンジの概ね中間に設置され、上りランプ(東京方面)は県道藤垈石和線に、下りランプ(長野方面)は市道3013号線を介し県道甲府笛吹線に接続する、24時間運用のETC専用フルインターチェンジ。
 12年4月に国から連結許可を受け、同年9月に山梨県、笛吹市、中日本高速道路の3者で基本協定を締結し、事業に着手した。このうち、山梨県施工分は県道交差点部の改良工事であり、総事業費は約3億円。昨年度までに詳細設計が終了し、用地買収に着手している。本年度は引き続き用地買収を進めるとともに、両県道の交差点改良工事を行う予定。
 【国道137号新御坂トンネル補修(笛吹市御坂町藤野木)】
 新御坂トンネル(延長2778m)は県営御坂トンネル有料道路として1964年に工事着手し、67年4月に供用開始された。94年11月に無料化された後、交通量も増加。甲府都市圏と富士北麓地域を連絡する重要な役割を担っている。
 このことから、これまでも覆工コンクリート背面の空洞充填を行うなど、安全な通行の確保のために必要な補修を行ってきた。また、笹子トンネルの事故を受け、14年5月に天井板の撤去を実施し、引き続き、覆工コンクリートの剥落対策や経年劣化に伴うトンネル内の舗装補修を施工している。
 今後は「山梨県トンネル維持管理計画(14年11月)」に基づき、管内ほかのトンネルについても点検を行いながら、老朽化対策など必要な補修工事を進めていく。
 ◎河川砂防事業
 【平等川、渋川河川改修】
 笛吹市春日居町鎮目地内の平等川の延長940mにわたる河道拡幅事業は、昨年度で計画区間の整備を完了。河幅が19mから22・6mに広がり、流下能力が約3倍となった。本年度は山沢橋の設計を進める。笛吹市石和町小石和における河道拡幅事業が13年度に完了した渋川は、上流区間の事業化に向け調査計画を進める。
 【蟹沢川付け替え】 
 笛吹市境川町寺尾地内では、境川一般廃棄物処分場建設に伴い、処分場予定地内の一級河川蟹沢川(L540m)を付け替える必要があるため、森林環境部から県土整備部が河川付け替え工事を受託し、峡東建設事務所がこれを実施するものである。付け替え事業は12年度より調査を行い、昨年度に工事着手、今年度末の完成を目指す。
 【日川通常砂防事業(甲州市大和町鶴瀬】
 甲州市の日川流域には、保全対象として多くの人家、小学校、公民館および国道などの公共施設があり、大正の時代から堰堤整備が行われてきた。そのうちの鶴瀬堰堤において、施設の機能回復のための腹付け等の改築を実施しており、本年度完成予定である。
 ◎都市計画事業
 【塩の山西広門田線U期(甲州市塩山上於曽)】
 塩の山西広門田線は延長870mについて道路幅員を17mに拡幅、歩道を整備し、併せて電線の地中化を行うもの。T期工事として延長560mを98年度から11年度まで整備を行った。現在行っているU期工事は残る延長310mに関して、12年度から18年度までの計画で整備を進めている。昨年度まで用地買収を実施しており、本年度も継続して行う予定。総事業費は9億円。
 【山梨市駅南線T期(山梨市上神内川)】
 都市計画道路山梨市駅南線(県道山梨市停車場線)の延長720m区間において幅員を17mに拡幅する事業で、12年度から7カ年で整備予定。車両および歩行者の安全性の向上、交通渋滞の解消、周辺地域の活性化などさまざまな効果が期待される。本年度も引き続き用地買収を進めていく予定で、概算事業費として28億円が見込まれている。
【写真=旧橋撤去を完了した重川橋(山梨市停車場線)、細川淳所長】