宗教法人天徳寺(秋田市泉三嶽根10の1、前田彰亮代表)が計画する同寺院の大規模修繕で、古建築や文化財保護の有識者、寺院関係者などで構成する「重要文化財天徳寺修理委員会」が9月にも開かれる見通しだ。同委で入札などについて審議し、10月以降の入札へと向かう。大規模修繕事業は総事業費約22億円で、今年度から平成35年度までの9カ年で行われる予定。
天徳寺は本堂や書院、山門、総門などが重要文化財に指定されているが、今回の修繕は創建されて以来の大規模工事となる。秋田市教育委員会文化振興室によると、本堂と本堂奥にある書院、開山堂の保存修理がメーン工事となり、骨組みを残してほぼ解体しながら、再建時の状態に復元する。
300年以上が経っているうえ重要文化財となっているため、解体に際しては部分ごとに番号をつけ、改変などの状況を細かく調査しながら施工する。このため、特定の整備工法は決めておらず、その都度ごとに施設の状態を見極め、設計変更をしながら最適な方法を選定する予定。
整備は主に素屋根かけ、解体、発掘調査、本体工事に分かれる予定で、本体工事に着手する前に本堂、書院、開山堂それぞれに素屋根をかける。修繕の総事業費は約22億円で、県は今年度180万円の助成金を予算化、今後も年度ごとに助成金を予算化させる考え。現在は中央土建の施工で別院(仮本堂)の建設に着工しており、10月末の完成を目指す。
提供:秋田建設工業新聞