大阪府内の経営事項審査受審企業7790社の最新データによると、経営事項審査内の項目「平均利益額」で赤字を計上している企業が1528社で、全体の19・6%を占めることが本紙分析で明らかになった。平均利益額をゼロとしている企業は23社あり、両者を合わせると全体の約20%で利益が出ていないことになる。
また、営業キャッシュフロー(当期)が赤字になっている会社は全体の31・5%、2455社に上る。営業キャッシュフロー(前期)は、全体の35・6%、2777社が赤字だった。
個別企業の営業キャッシュフローが赤字になることは企業運営上あり得ることだが、本業で収益を上げることができていない企業が全体の約3割を占めるとなると、建設業界の収益力回復はまだ道半ばと言える。
資本金別でみると、資本金1億円以上(税法上の大会社)と資本金ゼロの企業で赤字企業の割合は低い反面、資本金1000万円以下で赤字企業の割合が全体平均を大きく上回っている。
平均利益額は、利払前税引前償却前利益(営業利益+減価償却実施額)の直近2年間の平均額。利払前税引前償却前利益(EBITDA、イービットディーエー)は、会計基準による差異が小さく、年度の変動も小さい指標として、国際的な企業比較や企業価値の算定の際によく用いられる。
減価償却実施額は、未成工事支出金や販売費・一般管理費、完成工事などに係る減価償却費が該当する。
今回のデータは、審査基準日2013年12月7日から15年7月7日までで、情報提供はJME。
資本金別の平均利益額赤字企業の割合は表の通り。
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建通新聞社