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日刊建設タイムズ社
2015/07/21

【千葉】「改正品確法」に議題集中/極めて高い注目度/「千葉・神奈川・埼玉」三県連絡協議会

千葉・神奈川・埼玉の建設業協会による「三県連絡協議会」が17日、東京・芝公園の東京プリンスホテルで開かれ、本県から「改正品確法の運用指針」、神奈川県から「公共投資の拡充及び改正品確法運用指針の市町村への徹底」、埼玉県から「改正品確法の適切な運用の推進と地域建設業の活性化」についての3議題を提出。3県とも「改正品確法がらみ」の提案という「極めて異例な事態」(関係者)からは、これらに対する業界側の期待と注目の高さが窺える。
  関ブロから全国へうねり
 従来ならば、各県提出議案に対する議論に加え、各提案についての国土交通省の検討状況、今後の見通しなどを交えた(一社)全国建設業協会(全建)からの所見等を踏まえてテーマを整理。単独または複数の議題にまとめ、千葉・神奈川・埼玉の「南関東三県」の提案を作成し、10月に開催する全建の関東甲信越地方ブロック会議に上程している。
 前述の通り、今回のテーマは3県とも「改正品確法」の関係で統一。このことから、埼玉県が提出した「改正品確法の適切な運用の推進と地域建設業の活性化」のうち、国土交通省への要望事項となる、@地域建設業を対象とする維持管理工事の継続かつ安定的な確保と指名競争入札の拡大A最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の引き上げ(一般管理費の増額と上限枠の撤廃(0・7〜0・9))B発注及び納期の平準化、週休2日制に配慮した適切な工期の設定C市町村への指導の徹底(歩切りの根絶、予定価絡の適切な設定、ダンピング対策の強化、適切な設計変更等)――の4項目に対し、千葉県と神奈川県協会が所見、全建が見解を示した。今後は、これらを「南関東三県」の提案にまとめて関東甲信越地方ブロック会議に投げかけ、全国規模への拡大を期待する。
 必要と信頼される建設業の評価定着
 4項目の提案趣旨に対する(一社)千葉県建設業協会(鈴木雅博会長)の所見は、すべて「賛同する」で共通。このうち「地域建設業を対象とする維持管理工事の継続かつ安定的な確保と指名競争入札の拡大」については、小宮山房信・副会長が発言。同協会が「地域で必要とされ、行政機関、住民から信頼される建設業」という評価の定着に向けて努力していることに加え、この活動を永続的に継続するためにも「地域建設業への受注機会の確保・拡大について、これまでも国に対して再三にわたり要望してきた」と説明。 
 引き上げと撤廃が解決への第一歩に
 2つ目の「最低制限価格及び低入札価格調査基準価格の引き上げ」に対しては、畔蒜毅・副会長が発言。制限価格や基準価格の設定が「落札率を低く抑え、社会保険未加入問題の大きな要因の一つになる」と指摘し「これらの価格引き上げや上限枠の撤廃が、解決に向けての第一歩になる」と主張。同協会としても、国に対して強く要望していることを説明するとともに「国から地方公共団体への指導も併せてお願いしたい」と付け加えた。
 早期発注と平準化/千葉市が前倒しを
 3つ目の「発注及び納期の平準化、週休2日制に配慮した適切な工期の設定」については、石井良典・副会長が発言。適切な工期の算定として、単なる週休2日制に配慮した工期・賃金の設定ではなく「現状の作業員の日給月給制という『賃金体系を考慮』した工期・賃金の設定」を要望。昨年度の同時期に比べて発注件数が少なく、「地域の建設業の正直な実感」として、総体的に発注業務が遅れていると思われることに対しては、改めて「早期発注・平準化」を要望した。さらに、千葉市の平準化発注の取り組みとして、昨年12月補正で債務負担行為を設定し、本年度工事を前倒し発注したことに言及。「(地元の)千葉市建設業協会から高い評価を受けたとの報道がなされた」と紹介し、千葉市の取り組みを改めて評価した。
 末端職員と自治体への指導の強化を
 4つ目の歩切りの根絶、予定価絡の適切な設定、ダンピング対策の強化、適切な設計変更等の「市町村への指導の徹底」については、阿部典義・副会長が「発注者側による、末端職員並びに自治体への指導の強化をお願いしたい」と強く訴えた。
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