石川県建築士会(照田繁隆会長)は20日、2015年度「建築士の日」記念事業として、第36回石川建築賞表彰式を金沢市の金沢都ホテルで開催した。
今回は、県内で12年1月1日から14年12月31日までに竣工した建築物を対象に募集と審査が行われ、応募総数9点(一般建築4点、住宅建築5点)の中から「北國パークビル」(金沢市)が優秀賞、「金沢城公園玉泉院丸庭園 玉泉庵」(金沢市)、「金沢星稜大学メディアライブラリー・キャリアデザイン館」(金沢市)、「回廊の家」(白山市)、「中土間の家」(金沢市)の4点が入選に輝いた。
表彰式には、建築士会会員や建築に興味を持つ一般の人など約40人が参加した。はじめに、照田会長が「石川建築賞は全国に先がけた表彰制度として、36回の歴史を数える。石川県は古くていい建物と新しい建築物が調和した街並みを形づくっており、本賞もそうしたまちづくりに貢献していると自負している。受賞作品は、使えば使うほど磨きがかかる素晴らしい建築物ばかりであり、建築主の皆さんに感謝するとともに設計者、施工者の方々に敬意を表したい」とあいさつ。来賓代表の畝本秀一石川県土木部次長が祝辞を述べた。
事業委員会からの経過報告の後、審査委員長の熊澤栄二石川工業高等専門学校准教授がパワーポイントを使って受賞作品の紹介と講評を行った。熊澤氏は、審査の観点としてアーバンファブリックの観点への配慮、内外空間の構成手法などを挙げ、これらを踏まえて議論を行ったと説明。受賞作品のうち優秀賞の北國パークビルについては、伝統的要素を現代の素材と技術で表現したこと、法的制約をファサード構成へ昇華させるデザイン手法、新しい金沢の夜間都市景観への貢献などを評価のポイントとしたと述べた。
この後表彰に移り、受賞作品の建築主に感謝状等を贈呈するとともに、設計者と施工者に賞状等を授与した。