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建設経済新聞社
2015/07/21

【京都】新庁舎整備事業の基本設計 整備費は約54億円増額

 京都市は21日、新庁舎整備事業に係る基本設計をまとめ、明らかにした。
 基本計画から見直したのは@分庁舎の階層構成A本庁舎の免震形式B本庁舎・西庁舎・北庁舎の庁舎間動線C危機管理センターの設置場所の4項目。
 26年11月に設置した市税事務所(ビル葆光)を新たに本庁舎への集約対象に加えることとし、そのために必要となる面積(延約2800u)の確保のため、分庁舎を3階建から4階建に変更する。建設費は約11億円の増額となるが、賃借費用の年約1億1000万円は10年程度で償却できると見込む。
 本庁舎の免震形式について地質調査を踏まえ再検討した結果、有効活用面積が増加するなど、地下1階の執務環境が向上し、費用も同程度と見込まれることから、柱頭免震(地下1階の柱の途中に免震部材を設置)から基礎免震(基礎部分に免震部材を設置)に変更する。
 基本計画時は西庁舎は北庁舎と接続せず、本庁舎とは2階の1層のみで接続するとしていたが、西庁舎の機械室等の配置及び規模の見直しで、西庁舎と北庁舎の一体化を図り、西庁舎の全階で北庁舎と接続させるとともに、本庁舎とは2階、3階及び4階の3層で接続することとする。
 基本計画時には危機管理センターを分庁舎の1階に設置するとしていたが、上空通路の設置により、本庁舎側と直結し、移動が迅速かつ円滑にできること、さらに分庁舎の4層化に伴い各階の階高が低くなることに対して他の階よりも階高を確保できることから、分庁舎の4階に設置することとする。
 分庁舎を1層増加させ、地上4階建(地下2階建)としたため、市庁舎全体の延べ面積は約2800u増え、約6万1000uとなる。
 施設概要は、本庁舎が地下2階地上4階建、延約1万6700u(居ながら改修)、建替え新築する西庁舎が地下1階地上5階建、延約3100u、建替え新築する北庁舎が地下2階地上7階建、延約1万7100u、新築する分庁舎が地下2階地上4階建、延約2万4100uとなる。4棟全て耐震構造は免震。
 整備工事関連費は基本計画時に比べ約54億円増え、約301億円を見込む。増額の内訳は▽床面積増加約11億円▽労務・資材単価の増加約34億円▽構造調査・地盤調査で判明した追加項目(構造補強、地盤改良)約9億円。
 環境面では、ソーラークーリング(太陽熱利用)、ハイブリッド街灯、アースチューブ、ナイトパージ(夜間に外気を取り入れ翌朝の空調負荷を軽減させる)、充電スタンド及び木製受水槽を採用。光熱水費は22年度と比べ約38%削減すると試算している。
 今後の事業スケジュールによると、27年8月に埋蔵文化財調査に着手(〜29年3月)、28年2月に西庁舎の撤去工事に着手(〜28年7月)する。28年度に実施設計を完了させ、29年度から本庁舎の改修工事(〜32年度)、西庁舎の建設工事(〜30年度)、分庁舎の建設工事(〜30年度)を進める。31年度に北庁舎撤去及び建設工事(〜34年度)を行い、34年度の整備完了を目指す。