大阪府は、全国ワースト1の規模となっている府下7市11地区合計で2248fに上る密集市街地アクションプログラム作成地区のうち、延焼遮断帯と位置付ける都市計画道路整備に乗り出す。府が直接整備する三国塚口線(豊中市庄内地区)では、測量設計に着手。市の整備路線では、対馬江大利線(寝屋川市池田・大利地区)で、都市計画変更に向けた手続きと並行して、市が境界確定に向けた地籍調査に着手した。対馬江大利線は、密集市街地エリア内区間を寝屋川市が、同エリア以外を府がそれぞれ整備する計画。
府の密集市街地対策事業費は、2015年度予算で6億0677万円と前々年度予算と比べ約5・1倍に拡充。南海トラフ巨大地震や上町断層帯地震では、密集市街地で大きな被害が想定され、延焼遮断帯に加え、まちの不燃化、地域防災力の向上に向け、府市で連携して取り組む方針だ。
まちの不燃化では、各エリアの地区公共施設(道路・公園)の整備や老朽住宅の除却で事業量を拡大。道路整備は前年度比約3・3倍の6506平方b、老朽住宅の除却は同比約1・6倍の約930戸を見込む。また、小規模建築物の防火規制強化では、寝屋川市で16年度からの地区計画導入に向けた準備が進むほか、守口市や門真市でも16年度導入に向けた検討を行っている。東大阪市は、16年度からの準防火地域の指定拡大に向け、手続きを進める。
7月15日に寝屋川市役所で開いた密集市街地対策推進チーム会議で、小河保之大阪府副知事は「防災のまちづくりは時間はかかるがコツコツと根気強く進めなければならない。役所にいるだけでなく、現場を見て動いていくのが重要」と話し、会議に先立って対馬江大利線の現地を視察、寝屋川市で北川法夫市長ら市の関係者らとともに会議を行う意味の大切さを説いた。
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建通新聞社