日本工業経済新聞社(群馬)
2015/07/17
【群馬】嬬恋村・大前橋架け替え工事に向けて詳細設計中
嬬恋村が計画する、大前橋の架け替え事業が進行している。ことし1月に実施された国土交通省実施の直轄診断の結果を受け、村は橋の架け替えを決定。先月には詳細設計が委託されたところ。新橋の架設場所は大前橋付近というだけで、具体的な場所は明らかになっていないが、早ければ2017年度に着工する運び。現状の幅員から2倍程度に拡幅することに加え、歩道も設置されるなど、完成予定の19年度以降には、人や車のスムースな往来が可能になる。
大前橋は、嬬恋村役場からほど近い国道144号へ接続する村道大前細原線上に建設。一級河川吾妻川に架設されている。エイト日本技術開発(岡山県岡山市)が詳細設計を実施しており、本年度末までかかる予定だ。村によると、建設予定の橋の規模は2車線の橋長50・7m、車道幅員7m、片側歩道2mを考えている。新橋は、大前橋付近に建設するが、下流側と上流側のどちらに架設するのかを現在検討している。橋の構造などは、詳細設計を踏まえて決定する。
来年度は用地や建物補償の協議、用地確保に費やす。順調に進めば、工事は17年度に発注される見通し。17〜18年度に橋を完成させ、19年度で橋前後の道路改良を行い、同年以降に全線開通させる計画。橋の工事中は大前橋を仮橋にして、完成後に撤去する。大前橋は、1958年に完成した橋長73・1m、幅員4・5mの5径間単純RCT桁橋。橋の下部には電力線や電話線、上下水道が通っており、新橋にもこれらを通す見込み。
大前橋を渡り南へ若干進むと、JR吾妻線の踏切がある。そこを通過して、向かって左方向へ進むと村農村環境改善センター、村社会福祉協議会デイサービスセンターといった施設がある。その関係もあり、橋の1日の往来数は600台近くに上り、村内の主要路線の一つとなっている。現在のところ新しい橋の前後の道路改良は計画されているが、道路の新設といった計画はないようす。新設する橋と、大前橋から先の路線への接続をどうするのかは、来年度以降明らかとなる。
大前橋は、建設から50年以上が経過し、村民のライフスタイルが変化し拡幅などがこれまで検討されたが、老朽化が進行しているため、村は当初補修を施しながらの拡幅を検討していた。しかし、ことし1月に国土交通省関東地方整備局が実施した直轄診断で、主桁などに大きな損傷があって補修を行うのは困難と判断された。その結果を受け、村では橋の架け替えを決定した。