農園主の用地買収反対で工事がストップしていた、福岡県豊前市のミカン園内の東九州自動車道用地(約1・5f)について、福岡県は14日、同用地を強制収用する行政代執行に踏み切った。これを受け事業主体の西日本高速道路鰍ヘ、椎田南〜豊前間(7・2`)の28年春開通を目指して建設工事の準備に入った。
強制収用したのは、岡本栄一さん(69)所有のミカン園12fのうち東九州自動車道建設用地の約1・5f。
代執行は、福岡県職員や西日本高速道路且ミ員など約200人体制で行われた。
岡本さんと支援者らはバリケードを築き、やぐらや小屋に立てこもり、県が小屋などを撤去するよう説得を続けていた。しかし、拒否し続けたため、ベニヤ板製のバリケードを撤去し、岡本さんと支援者らを強制退去させ、収用用地を西日本高速道路鰍ノ引き渡した。
代執行は同日、完了し、今後、西日本高速道路鰍ヘ、椎田南〜豊前間の28年春の開通に向け、建設工事を進める。同区間は、当初、椎田南〜宇佐間の既開通区間とともに、27年春開通を目指していたが、用地取得の遅れで28年春に延期している。
用地内には、ミカン選果場があるが、同県は22日までに撤去する予定。岡本さんらが拒否し続けた場合、強制収用するとしている。
岡本さんは、16年前から高速道路の建設反対運動を続け、国などに代替ルートを提案していたが、今年1月、福岡県収用委員会が土地収用を裁決。5月に所有権が西日本高速道路鰍ノ移り、岡本さんらは裁決取り消しを求め福岡地裁に提訴するなどしていた。
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大分建設新聞社