福島建設工業新聞社
2015/07/16
【福島】JAEA/分析・研究施設、廃炉国際共同研究棟/今年度末に発注手続き
日本原子力研究開発機構(JAEA)は今年度末に、廃炉関係2施設の発注手続きをする。大熊分析・研究センターの施設管理棟建設工事を総合評価(WTO型)、福島廃炉国際共同研究センター建設工事を総合評価(U型)で公告・入札する。
2件とも、発注規模は6億円以上で、28年3月までに入札を執行し、28年度で工事を進める計画。
大熊分析・研究センターは、経済産業省の委託を受け、放射性物質の分析・研究を行う拠点施設とする。東京電力福島第一原子力発電所(1F)に隣接する大熊町に、第1期施設として施設管理棟と第1棟を建設し、ガレキ類や水処理2次廃棄物などの低放射性物質の性状分析、安全性評価、廃棄体化のための試験、処分の安全性を評価するための技術開発を行う。燃料デブリ等の高放射性物質分析は、第2期施設(第2棟)で行う。
先行整備する第1期施設は、29年度運用開始を目指す。施設管理棟はPC造4階建て延べ約5000平方b、第1棟はSRC造地下1階地上2階建て延べ約1万平方bで計画しており、建築実施設計を日建設計、内装設備詳細設計を日立GEニュークリア・エナジー、東芝、三菱重工業で進めている。いずれも履行期限は28年3月31日。
今年度内に工事発注する施設管理棟は、28年1月以降に総合評価(WTO型)一般競争を公告し、3月までに入札を執行。約12カ月工期で工事を進める。第1棟は28年度内発注の見込み。
第2棟は、地下1階地上4階建てで計画。30年度に整備着手し、32年度の運用開始を目指す。
福島廃炉国際共同研究センターは、1Fの安全な廃止措置を推進するための先端的技術研究開発と人材育成を行う施設で、1F近郊に整備する。
整備施設は、国内外の大学、研究機関などが利用できる国際共同研究棟。規模はS造3階建て延べ約2100平方bで計画しており、28年1月29日納期でニュージェックが実施設計を進めている。
建築工事は28年度行う計画で、総合評価(U型)一般競争で3月までに入札する。工期は約12カ月を見込んでいる。
両施設は、今年度内の一部運用へ向けて建設中の楢葉遠隔技術開発センター(モックアップ施設)と一体的に活用することで、1Fの廃止へ向けた技術開発を加速させる計画だ。