大阪府が誘致を検討している国際博覧会で、7月28日に行政・経済界・有識者で構成する検討会の第4回会合が予定されており、府内の開催可能地区などが提示される見通しだ。また、第3回会合では、経済効果の試算(中間報告)として1兆1279億円(府内、標準試算)が示された。最終となる次回会合で中間報告が行われる見込みの府民・企業意識調査と合わせ、議論の行方が注目される。
経済効果は、2005年の愛・地球博相当の万博を府内で開催した場合の経済効果を、愛・地球博の実績値(建設・運営・消費支出)を基に試算。
会場建設費1780億円(博覧会協会1319億円、企業パビリオン461億円)に対し、会場運営・消費支出需要誘発額は6910億円(会場運営費2091億円、消費支出4819億円)とした。その上で、万博開催による府内の経済波及効果は会場建設費ベースからみて約6・3倍の1兆1279億円を導き出している。さらに、オプション試算として直接・間接の誘発効果も算出。開催前・期間中・開催後の訪日外国人や国内旅行者の増加、知名度アップに伴うイベント開催、企業の投資活発化などを盛り込むと2兆8859億円の経済波及効果を府内で見込む。
経済効果の算出をはじめとする検討用データ収集などの委託業務は、日建設計総合研究所(大阪市中央区)が担当。
経済界委員からは、「(経済)効果ばかりで(開催)意義が弱い」「『世の中をどう変えるのか』や『感動』に対して府民がどう思うか」(関西経済同友会)といった声のほか、「(大阪の)成長戦略の中でなぜ万博か(の定義付けを明確化すべき)」(大阪商工会議所)とする意見が出た。
府の国際博覧会誘致は、最短で25年を見据え議論が進められている。
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建通新聞社