東北地方整備局成瀬ダム工事事務所は、推進する成瀬ダム建設事業に関し、成瀬ダム計画の基礎資料とするため、ダム本体設計の検討を行う堤体実施設計を公告した。土木コンサルの資格を持つ単体企業または設計共同体が対象で、砂防ダムを除くダムの堤体設計、実施設計または施工計画検討の元請け業務実績(17年度以降公示日までに完了した業務)か、砂防ダムを除くダムの堤体設計または施工計画に関する研究実績が必要となる。
業務では、計画準備、基本的事項の検討、堤体構造検討、本体設計、左岸上部対策工検討、材料使用計画検討、報告書作成、協議資料作成を行う。このうち、基本的事項の検討では設計を行うために必要な条件をまとめ、堤体構造検討では堤体に関連する貯水池や洪水吐などの構造も検討する。参加表明書は今月23日、技術提案書は来月24日の提出期限で受け付ける。履行期限は来年2月29日。
同事業は、雄物川沿川の洪水被害・渇水被害の軽減、農業用水や生活用水の供給などを目的に建設するもの。建設に要する概算事業費は1,530億円、完成は平成36年を見込んでいる。
成瀬ダムの本体は、中央コア型ロックフィルダム(堤頂長690m、堤高113.5m、堤体積約120万㎥、総貯水容量7,850万㎥、有効貯水容量7,500万㎥)を予定。建設地は東成瀬村椿川地先で、右岸は字トクラ、左岸は字白岩小沢地内に位置する。
今年度は、保管施設新築などを発注しているほか、国道付替整備や洪水吐水理検討、水環境等検討、地質総合解析、取水放流設備設計、地質調査(椿川上流、白岩小沢)を今月以降、順次開札する。また、WTOで国道付替2号トンネル工事(概算30〜50億円)を来年1月以降に発注する。
提供:秋田建設工業新聞