臼杵市は、築41年が経過して老朽化し、耐震性も低い市役所臼杵庁舎の建て替えを検討している。これまでに専門家委員会と市民委員会が答申や意見報告をした、臼杵城跡公園、旧臼杵商業高校跡、現臼杵庁舎敷地の3ヵ所を建て替え候補地とし、それぞれの概算事業費を10日の市議会全員協議会で説明した。中野五郎市長は、「どこに建てるかなど、両委員会、議会の検討を踏まえ9月議会までに最終判断する」と述べた。
示された各候補地の概算事業費は、高い順に▽臼杵城跡公園58億500万円▽旧臼杵商業高校跡40億8800万円▽現庁舎敷地に新築した場合37億6300万円▽現庁舎の東側部分を耐震補強して活用した場合26億3700万円。
臼杵城跡公園は、地下駐車場整備費などがかさみ、最も高額になった。文化財指定に伴う規制をクリアできるかは不透明だ。
旧臼杵商業高校跡は、県有地の取得費用を含まない数字。また周辺環境やアクセス道整備費が現庁舎に比べ3倍以上必要。
現庁舎敷地は津波対策で1階に支柱だけのピロティ―とするが、臼杵湾が目の前で、津波被災の懸念はぬぐえない。
一方、市議会も庁舎整備検討委員会を設置。江無田県有地を候補地として提案。市は、3候補地とともに、江無田県有地の概算事業費を算定(43億1500万円〜45億7000万円)したが、最終候補から外れたようだ。
これまでの庁舎建設の取り組みは、21年度に現庁舎の耐震診断をした結果、海抜1・8bの現在地に、昭和49年に建てた庁舎のIs値の最小は、西棟1階 で0・36(構造耐震判定指標は0・66)で、耐震値を満たしていないことがわかった。
このため中野市長は26年9月議会で「臼杵庁舎のあり方について検討を始める」と表明。その後臼杵庁舎のあり方検討専門家委員会を設置し、さらに市民委員会を設け、それぞれ検討してきた。
その結果、専門家委は、現臼杵庁舎敷地、臼杵城跡公園を建設候補地に答申。市民委は、臼杵城跡公園、旧臼杵商業高校跡を候補地とする意見を提出。これを受け市は、今年4〜6月に、調査、検討を進め、3ヵ所の中から選定することにした。
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大分建設新聞社