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秋田建設工業新聞社
2015/07/14

【秋田】(地独)市立秋田総合病院 来月中に新病院規模・適地で原案 建設検討委・年度内に検討成果品

 地方独立行政法人市立秋田総合病院は、同病院の改築に向け、内部で構成する「市立秋田総合病院建設検討委員会」を立ち上げている。先月までに第2回まで終えており、今月下旬に開かれる第3回では将来構想の検討や建て替えの概略規模、建設適地の洗い出しなどについて検討し、8月の第4回委員会までに原案を作成する予定。検討委はおおむね毎月1回をめどに開催される予定で、10月までの素案作成、来年1月までの成案作成、年度内の成果品完成を目指す。
 市立秋田総合病院は昭和59年に竣工。すでに建設後30年を経過しており、耐用年数(税法上の減価償却年数39年)からみても建て替えの検討が必要な時期となっている。
 自治体病院の建て替えは一般的に、基本構想、基本設計、実施設計で3年、建設工事で2から3年が必要なため、用地取得が不要な場合でも、完成までには今年度を含め6から7年はかかることから、今年度から検討しても完成は平成32ないし33年度と考えられている。その頃には、現在の病院も耐用年数を終える頃となる。
 現病院は、病室が狭く1室6床の多床室が多いことで患者のプライバシー確保が困難となっており、空調管理でも夏季・冬季に苦情が発生しているほか、医療の高度化や専門化に伴う機器設置スペースも不足し、老朽化による不具合の解消には多額の改修費用がかかるとされている。
 また、高齢化の進展に対応する第4次医療法改正における病床・廊下幅などの面積基準(同病院建設時の約1.5倍)を満たすことも求められているほか、都道府県が主体となる病院再編では、2次医療圏ごとの各医療機能の将来必要量などを勘案しながら県が「地域医療構想」を策定する動き(関連記事3面掲載)があり、これに対応する必要もある。
 このような諸課題に対応するため病院は今年4月、法人理事長を委員長とする建設検討委員会を設立。5月の第1回では現病院の概要や建て替えの必要性など、先月の第2回では取り巻く環境の変化や入院・外来の将来患者数予測などが確認されている。
 今月下旬の第3回では将来構想の検討や、新施設の概略規模の検討、建設適地の洗い出しなどを行い、8月の第4回までに原案を作成する。8月・9月に原案を検討した後は、10月中までに素案を作成する。10月・11月は素案について検討し、建て替えの適地を選定。12月からは事業規模(金額)や事業手法、建設スケジュールを検討し、来年1月の第9回委員会までに成案(病院案)を作成する。
 1月・2月は成案について検討し、年度内に検討結果の資料を作成する予定。秋田市では現在、新たな市総合計画をまとめており、年度内に策定される見通しから、病院建設についても同計画に盛り込みたい意向。今年度は病院建設検討委員会と並行して、9月、11月、28年2月市議会における総務委員会での説明も行うなど、市や市議会と歩調を合わせる形で検討を進める。
 市立秋田総合病院は15,433.09uの敷地にある総延床面積28,707.2u(診療棟:B1〜3F11,034.5u、病棟:B1〜8F17,567.94u)の施設で、一般病床376床(個室31床、2床室62室、3床室7室、4床室5室、6床室30室、ICU6床)、結核病床22床、精神病床60床の計458床となっている。

提供:秋田建設工業新聞