建通新聞社(東京)
2015/07/10
【東京】カヌー・スラローム会場 パシコンで設計
東京都建設局は、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会で使用する「カヌー・スラローム競技会場」の基本設計業務をパシフィックコンサルタンツ(多摩市)に委託した。延長300bのスラロームコースや同200bのウォームアップコース、面積約1万7000平方bのフィニッシュエリアなどを配置。水の流れを作り出すための機械・電気設備や、競技・管理諸室などを備えた恒設施設として新設する。プロポーザル方式で特定し、同社の見積もった1億2800万円(税抜き)で契約を結んだ。16年5月31日納期で作業を進める。
カヌー・スラローム会場は、立候補ファイルで予定していた葛西臨海公園内への整備を変更し、隣接する都有地(葛西水再生センターの一部、江戸川区臨海町6ノ1)に新設する。
国際オリンピック委員会(IOC)や国際競技連盟(IF)が定める最新の基準や会場・競技要件を踏まえつつ、土木構造物として延長300bのスラロームコースや同200bのウォームアップコース、面積1万7000平方bのフィニッシュエリア、ボートエスカレーター2基、橋梁2基(橋長50bと20b、幅員はともに4b)、5f程度の外構を整備。
また、コース内の水を循環させるための設備として、起流ポンプや浄化設備、配水ポンプ、受変電設備、高圧受電設備、電源設備、自家発電設備を配置する。併せて延床面積900平方b規模の競技関連諸室や同700平方bの施設運営関連諸室、同1600平方bの管理諸室を新築する。
今回委託した設計の中で、葛西臨海公園との一体的な利用を考慮した跡地利用計画も踏まえ、各コースやフィニッシュエリアの形状、幅、水深、勾配、落差工などを複数案検討し、構造特性や施工性、経済性、維持管理性などの観点から最適な案を絞り込む。同様に設備機器についても配置や各種配管・配線経路、システムを検討し、容量や出力を固めていく。