高知県文化生活部は、坂本龍馬記念館の新館建築と既存館改修に向けた基本設計が完了したことを受け、概要を明らかにした。新館の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ1947平方bとなり、貴重な歴史資料に触れ龍馬を深く知る博物館として「蔵」をイメージした外観となる。既存館は体験型の展示スペースとして充実させる。新館と既存館の2階部分は通路で連結する計画となっている。
新館の特徴としては、小さい窓を多数設置することが挙げられる。ロビーに差し込む無数の小さな光を「志士の志」とし、やがて大きな一本の光となり明治維新へと導くイメージだ。1階はそのロビーと管理部門、ホールなど、2階に常設展示室、企画展示室、収蔵庫など、地下1階はトラックヤードなどを配置する。
既存館の規模は鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上2階建て延べ1940平方b。主な改修項目はアメニティ機能の充実、老朽化材料の更新、破損部分などの補修、スプリンクラー設備の新設、エレベーターの取り替え。1階にミュージアムショップ、図書コーナー、休憩コーナー、中2階にカフェ、2階に「龍馬と遊ぶ」を基本コンセプトとする展示室、地下1階に暗さを生かし「幕末写真館」を基本コンセプトとする展示室を設ける。
新館は、既存館より道路を挟んで西側に建設する。両施設は2階部分に設置する延長12b、幅2・5bの連絡通路で接続させる。
建築の基本設計を担当した石本・ワークステーション・若竹設計共同事業体(東京都・横浜市・高知市)と展示の基本設計を担当した丹青社(東京都)とは、近く実施設計を随意契約で結ぶ予定。16年4月に実施設計が完了する予定で、新館建設は2016年7月、既存館改修は17年1月に着工予定。両施設を一括して発注するか、分離するかは実施設計の中で検討していく。
両施設とも明治維新から150年の節目にあたる18年1月のオープンを目指す。建築、展示、設計などを含めた総事業費は約26億円を見込む。場所は高知市浦戸。
提供:建通新聞社