三重県は、計画的な生活排水処理施設の整備を進めるため、「次期三重県生活排水処理アクションプログラム」(以下、次期プログラム)を2015年度に策定する計画だ。14年度に県が示した「生活排水処理施設整備基本方針」に沿って、市町が整備計画を策定し、それを県が15年度末までにとりまとめる。期間は、おおむね10年(中期)とし、市町別に整備手法を定め、目標年度における整備水準を示す。
県の生活排水処理状況の推移を見ると、整備率は1998年度末に40・5%(全国40位)、13年度末には80・8%(全国30位・福島県除く)と整備の成果は上がっているが、全国平均の88・9%(13年度末)に比べると依然として低い状況にある。
現行のアクションプログラムは、96年度に策定し、06年度に改定、12年度に整備実態に合わせた見直しを行ったもので、目標年度である15年度末に82・2%の目標値を掲げた。事業別の整備率目標を見ると、下水道が50・7%、農業集落排水施設などが5・5%、農業集落排水施設が0・4%、コミュニティ・プラントが0・2%、市町村設置型浄化槽が1・3%、個人設置型浄化槽などが23・9%とした。
次期プログラムの策定に当たっては、県が14年度に基本方針と、市町が作業を行うためのマニュアルを示した。基本方針では▽国のマニュアル(都道府県構想策定マニュアル)などに基づき再検討を行う▽生活排水処理施設整備率をベンチマーク(指標)として事業を進める▽25年度を中期目標年次とし、汚水処理施設の概成に向けた計画とする▽35年度を長期目標年次とし、人口減少や財政状況などを踏まえた施設の改築・更新および運営管理計画とする―などを示した。
既に市町では検討作業に着手しており、県は広域的な観点から調整・検討を行う。
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建通新聞社