大阪府、兵庫県、京都府、滋賀県、奈良県、和歌山県の近畿2府4県における今後10年間の目指すべき姿や取り組むべき戦略を示す、新たな近畿圏広域地方計画の実現に向けた主要プロジェクト案として、広域交通ネットワークなどを含む11のプロジェクトがまとまった。7月6日開催の第2回近畿圏広域地方計画有識者会議(座長=大西有三関西大学特任教授)で示された。
主要プロジェクト案は、関西の目指す姿と戦略を支える、具体的な施策として位置付ける。ハード事業では、「広域交通ネットワークプロジェクト」の淀川左岸線2期や大和川左岸線の整備推進、「関西強靭(きょうじん)化プロジェクト」の耐震化、津波・液状化対策、施設の老朽化対策、「暮らしやすい京阪神都市プロジェクト」の連続立体交差事業による交通の円滑化、「知の拠点プロジェクト」のうめきた2期の推進などが盛り込まれた。
会合では、藤井聡委員(京都大学大学院教授)が「関西の成長にリニアや北陸新幹線などの交通インフラ整備は不可欠だ」と述べ、プロジェクトの中に書き込むように強く要望した。このほか「全国計画で示されている危機感が感じられない。具体的な施策も方向性が分かりやすいものとそうでないものがある」(橋詰紳也府立大学観光産業戦略研究所所長)、「継続事業ばかりで寂しい」(坂上英彦京都嵯峨芸術大学教授)などの意見があった。
国土交通省近畿地方整備局の小俣篤企画部長は、「今後、中間取りまとめ案の作成に入るが、骨子概要の文章化や、主要プロジェクト案の具体的な内容、進め方などのまとめを急ぎたい」と話した。
中間取りまとめ案は、8月28日の第13回広域地方計画幹事会、9月16日の第4回広域地方計画協議会に諮った上で、市町村からの計画提案を募集。10月下旬〜11月上旬に開催する第3回有識者会議で計画原案を審議し、2016年3月の大臣決定・公表を目指す。
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建通新聞社