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建設経済新聞社
2015/07/07

【京都】南部CC第二工場は8月着工 設備3件は11月市会提出へ

 京都市は7日、伏見区横大路八反田の南部クリーンセンター第二工場(仮称)建替え整備事業について、施設の概要やデザインをまとめ明らかにした。
 同事業は19年3月に休止した既存施設(旧第二工場)を解体撤去し、現在稼働中の第一工場に代わる新たなごみ処理施設を整備するもの。25年10月市会の議決を得て建物新築工事等の請負契約を締結(南部クリーンセンター第二工場(仮称)新設工事として日立造船−鹿島−要−公成−増田特定建設工事JVと247億8000万円で契約)し、設計及び旧施設の解体を進めていた。
 建物の建築面積は約1万3460u、延約3万1660u。工場棟がSRC造一部RC造一部S造地下2階地上7階建(高さ約43m[現状地盤面からの高さ約44m])、煙突棟がRC造(高さ約78m[現状地盤面からの高さ約80m])。煙突に併設する展望台は約66m(現状地盤面からの高さ約68m)で、横大路地域のほか、京都三山など京都の景観を一望できるものとなる。
 工場エリアの西側に管理事務所及び環境学習施設、東側に煙突及び展望台を配置。管理事務所の南側にバイオガス化施設を配置する。
 外観デザインは、明るいグレー系色と黒色系の配置からなる外壁とし、来場者の主な視点場となる敷地西側に低い建物を配置することで外壁に変化をつける。玄関部分の屋根を切妻式とするなど伏見の酒蔵をイメージしつつ、壁面緑化を採り入れる。
 ごみ焼却施設をはじめ、大型ごみなどを破砕して資源となる鉄やアルミニウムを選別回収する選別資源化施設、生ゴミ等を発酵させメタンガスを作り回収するバイオガス化施設を併設する。
 ごみ焼却施設では、ごみの焼却時に生じる熱を利用し蒸気を発生させ、タービンを回して発電するごみ発電を行う。発電効率は約20%(25年実績の全国平均は約12%)まで高める。発電能力は約1万4000kw。年間発電見込みは約8950万kwh(一般家庭約2万2000世帯の年間電力消費量)。
 またバイオマス施設で取り出したメタンガスでガスエンジンを回して発電するバイオガス発電も行い、ごみの持つエネルギー回収の最大化を図る。発電能力は約1000kw。年間発電見込みは約830万kwh(一般家庭約2000世帯の年間電力消費量)。
 ごみ焼却施設やバイオガス化施設等で発電した電力で施設運営に必要な電力をまかなうほか、余った電力を電気事業者に売却し、売電収入を確保するとともに、電気事業者の発電量を減らし温室効果ガスの削減につなげる。
 ごみ焼却施設は処理能力が日量500t(日量250t×2基)。選別資源化施設は処理能力が日量180t。バイオガス化施設は処理能力が日量60t(日量30t×2基)。
 太陽光発電は175kw。焼却熱の給湯への有効利用、全面的なLED照明の採用(非常用照明等を除く)、高効率空調の採用、自然光の取り入れ(トップライト)も行う。処理排水の場内での再利用、井水や雨水の植栽への散水利用を行う。
 建物の内装材には地域産をはじめとする木材を積極的に活用。木材利用面積は約2460u(体積にして約37m3)。
 緑化では、敷地北西部分にビオトープ(約100u)を設け、地域の生態系を学べる環境学習の場とする。敷地南側に桜並木(延長約100m、ベニシダレなど)を配置し、構内景観の華やかさを演出。外壁は可能な限り壁面緑化(約3500u)する。環境学習施設と管理事務所の屋上の一部を緑化し、芝生広場(約400u)とする。
 法規制より大幅に厳しい排ガス自主規制を定め、これを達成するため最新の排ガス処理設備を採用する。
 環境学習施設は最先端の環境技術を実機、映像等で学習する施設。バイオ軽油を製造するバイオ軽油製造技術やごみからエタノールを製造するバイオエタノール製造技術、熱発電チューブなどのほか、エネルギー回収や資源選別の仕組みを学ぶことができる。
 27年8月下旬に建物新築工事に着手する。電気設備、空調設備、衛生設備は第2四半期に発注・公告し、11月市会に工事請負契約案を提出する予定。電気設備はWTO対象、空調設備と衛生設備はそれぞれ4億円以上WTO対象未満の予定。30年度末の完成を目指す。
 既存破砕施設は31年度に解体予定。第一工場は32年度末に廃止予定。