日本工業経済新聞社(群馬)
2015/07/02
【群馬】県桐生土木が石田川調節池の工事4件を発注準備
県桐生土木事務所は、みどり市笠懸町阿左美で進める一級河川石田川流域調節池整備事業のC1調節池の工事で、本年度は4工事を発注する。運土を主体とする工事1件が今月中に指名通知されるほか、岡登用水路の付け替えや池の掘削を行う整備工事3件を、来月中に技術力重視タイプの総合評価落札方式を適用した条件付き一般競争入札で公告する。
C1調節池は4万2300立方mの規模で計画され、池のほぼ中央を南北に走る市道によって東西に分かれている。設計はニュージェック(大阪府大阪市)が作成した。昨年度は市道西側の池を掘削し、市道下へ東西の池を結ぶ連絡水路を整備した。
本年度の計画では、東池の予定地内にある岡登用水路を東池の東側へ新しい水路に付け替え、古い水路の撤去を含めた掘削工事が実施される。今月中にも指名競争入札で発注する工事は現在、東池予定地に置かれている土砂を西池へ運ぶもので、この工事により西池はほぼ完了となる。
東池の整備工事3件は、南北L250mある同池を北、中央、南の3分割発注で調整が進められている。3件全てに用水路の新設、既存水路の撤去、東池整備のための土砂掘削が含まれることになりそう。
発注に向けて、これから積算をまとめるが、岡登用水路の受益者に不便がないように、水路の新設工事を優先的に実施し、掘削の土量を調整して本年度予算内に抑える。一部残るとみられる土工事は来年度に実施し、C1調節池の整備が完了する。
新しい水路の断面は既存水路よりも大きくなり、W約3m、H約2m。東池の東側沿いへ付け替えられる。
みどり市笠懸町や太田市の薮塚地域では、河川の流下能力不足や地域の排水対策が行き届かず、過去に大雨による浸水被害が発生。県は、雨水排水を一時的に貯留するため、2000年度から石田川流域で調節池8カ所の整備を進めており、これまでに6カ所が完成している。県太田土木事務所側では、E池の整備が残っている。なお、調節池へつながる排水路の整備も、みどり・太田両市がそれぞれ進めている。