県は、南海トラフ巨大地震など大規模地震発生時に、早期に緊急車両が通行できるよう、がれきや放置車両などの処理、路面の段差修正などを行い救命・救援ルートを確保するため「大分県道路啓開計画」を策定した。
計画は、「県緊急輸送道路ネットワーク計画」、「県地震津波被害想定調査」の結果を踏まえ、発災後から時系列に「救命」「救援」「復旧」の3段階のステップに区分して啓開ルート(総延長238路線・2121・2`)を選定し、啓開作業の優先度を設定した。
【救命】
◇最優先啓開ルート=▽広域啓開ルート(県外あるいは広域的な防災拠点を結ぶ骨格ルート、55路線・728・5`)=@高速道路・東九州自動車道、大分自動車道、宇佐別府道路、中九州横断道路、中津日田道路、日出バイパス、大分空港道路A直轄国道・国道10号、国道57号、国道210号B高速ICと直轄国道を結ぶルートC前記路線から広域的な防災拠点(県庁舎、大分スポーツ公園、自衛隊駐屯地、災害拠点病院、大分空港、主要港湾、大分製油所など)を結ぶルートD被災リスクの少ないルート。▽地域啓開ルート(救命活動に係る公的機関、医療機関、交通拠点を結ぶ骨格ルート、48路線・223・8`)=@主要防災拠点(県土木事務所、国交省関係庁舎、市町村役場、警察署、消防署、高速道路会社、自衛隊施設、電力・通信会社)、交通拠点(港湾・漁港、主要鉄道駅)、救急指定病院を結ぶ県の重要ルートA被災リスクの少ないルート
【救援】
◇優先啓開ルート(地域の救急活動や緊急物資の支援などに係る活動拠点を結ぶルート、46路線・329・3`)=地域内防災拠点(市町村総合支所、ヘリポート、物流拠点、物資備蓄拠点、災害活動に資する拠点、道の駅)を結ぶルート
【復旧】
◇啓開ルート(復旧に向けて必要な拠点を結ぶルート、89路線・839・5`)=@前記以外の緊急輸送道路Aその他関係施設(放送局、郵便局、保健所など)を結ぶルート。
また、道路啓開活動として、初動体制の確立、被災状況の把握、道路啓開の実施計画策定、道路啓開の実施、道路啓開状況の把握、応急復旧活動などを具体的に明記し、被害別の啓開方法案・応急復旧工法案を例示している。
提供:
大分建設新聞社