東金市外三市町清掃組合は、施設の老朽化する環境クリーンセンターを2028年度の稼働を目標に移転改築する方針。昨年度で基本構想をまとめ、本年度から用地の選定に着手する。基本構想では日量150tのエネルギー回収型廃棄物処理施設と同22tのマテリアルリサイクル推進施設を、概算事業費約135億円で整備する方針。
建設場所については、現在地に余裕がないことから、東金市、大網白里市、山武郡九十九里町から建設候補地を公募する。公募は8月3日から11月30日の期間で募集する。
公募は、土地所有者(個人または法人も可)と候補地の地元区長を応募対象者とし、応募の条件は、@東金市、大網白里市、九十九里町の区域内で2・5ha程度(ただし敷地の形状によっては2・0haでも可)A候補地の地権者全員の同意が得られること。候補地の地元区が推薦する候補地が複数の区にまたがる場合は共同応募とする。応募のあった候補地について法的規制や地理的条件などを考慮し、16年度中に選定する。
施設の建て替えに伴い、同組合では昨年度で「次期処理施設(仮称)整備事業に係る施設整備基本構想」を策定し、施設整備の基本方針、導入する主要設備の処理技術、基本仕様、生活環境保全対策、事業方式などについて検討・整理した。
それによると、施設整備計画の目標年度を概ね15年後の28年度とし、整備する施設を「エネルギー回収型廃棄物処理施設」と「マテリアルリサイクル推進施設」の2施設とした。
廃棄物処理施設は28年度の年間焼却ごみ処理量(3万6583t)と国の方針に基づく災害廃棄物処理量を考慮し、日量150tと設定。マテリアルリサイクル推進施設は、28年度の粗大・不燃ごみ、選別資源ごみの処理量から日量22tと設定した。
廃棄物処理施設の処理方式については、焼却処理方式のストーカ式および流動床式、ガス化溶融のシャフト炉式ガス化溶融および流動床式ガス化溶融方式を中心に検討する。マテリアル推進施設については、選別工程を充実させ、資源化価値を高めることで資源循環に配慮した処理システム構築を目指す。
一方、余熱利用では、できる限り環境負荷の低減化を図り、低炭素社会の推進に寄与する施設整備を目指し、温室効果ガスの排出抑制に資するごみ発電等による余熱利用を積極的に推進する。
事業手法では、プラントメーカーにアンケート調査を実施。その結果、公設公営と公設民営(PFI的手法)が多く、VFMの算出でもDBO方式の財政支出削減率が高かったことから、公設公営とDBO方式に絞った検討を行う。
今後の事業スケジュールについては、15〜16年度の2か年で用地を選定。17年度で「次期ごみ処理施設整備基本計画」及び「循環型社会形成推進地域計画」を策定。18年度から「環境影響評価」の手続きを開始し、18〜20年度の3か年で実施し、21年度から事業者を選定。23年度から実施設計に入り、23年度もしくは24年度で造成工事に着手。25年度に施設本体に着工し、25〜27年度の3か年で建設、28年度の稼働を目指す。
なお、既存の環境クリーンセンターは98年4月に稼働。処理方式は灰溶融方式で、炉形式が全連続燃焼式。ごみ処理量(日量)は210tで、ほかにリサイクル10t、溶融固化26tを処理している。工事はタクマが施工。基本構想の策定は日産技術コンサルタントが担当。