北海道建設新聞社
2015/07/01
【北海道】高齢者の住み替えをワンストップでー北清企業が新サービス
北清企業(本社・札幌、大嶋武社長)は、高齢者の住居住み替えをターゲットにした新たなビジネスモデルを構築し、7月からサービス提供を始める。道内の大手ハウスメーカー、葬祭場などと連携し、不要品の片付けから住み替え手配や土地の利活用、住宅解体をワンストップで提供。利用者の煩雑な手間を解消し、円滑な住み替えを促すことで土地活用や社会問題化する空き家防止につなげる。
サービス名は「おうち生き活きサポートONE(ワン)」。家族構成の変更で戸建て住宅から共同住宅、高齢者施設への住み替えを希望する高齢者を中心に総合的支援をワンストップで提供する。
内容は「片付け隊」「フラット21」「クリエイトサポート」の3つ。片付け隊は住宅の清掃から不要品の片付け、排出、廃棄をサポート。フラット21は戸建て住宅の解体、クリエイトサポートは建て替えや住み替え、土地の利活用・売却を不動産会社と協力して支援する。
連携企業から相談が寄せられた段階で専門支援員が訪問して対応する。サービス提供で高齢者に負担の多い住み替えに伴う手間を解消。企業連携で処分費を最低減に抑え、円滑な住み替えを促す。
新ビジネスでは廃棄物処理やリサイクル、解体など許認可事業を手掛ける北清企業を軸に、ハウスメーカーや不動産管理会社、葬祭場、リサイクルショップが顧客からの相談情報、物件情報を共有して相乗効果を狙う。「B(ビジネス)+BtoC(カスタマー)で各社にメリットが生じる仕組み」(大嶋社長)を築いた。
葬祭場は相談が多い住み替え対応を新サービスに活用。ハウスメーカーは建て替えや不足する住宅用地情報の早期把握、不動産管理は不動産の仲介、リサイクルショップは不要品の買い取りリンク。それぞれが本業の展開に生かせる。北清企業は解体の受注拡大などで初年度1億円の売り上げを見込んでいる。
同社は自治体や企業を対象とする廃棄物処理とともに「埋める・燃やすから使う・活かすへ」を旗印にリユースやリサイクル事業を進めてきた。
大嶋社長は、人口減少により廃棄物発生量が減少する先行きに危機感を募らせ、「企業連携の中で本業を生かせる個人向けサービスの提供を方向性として選択した」と説明。当面は札幌市を中心に展開し、エリアを広げながら中核事業に育てる考えだ。
一方、道内の戸建て空き家は2013年で10万9400戸。都市部を中心に増加が予想されるため、「高齢者支援で空き屋増加を防ぎ、不動産の有効活用につなげたい」としている。