浜松市は、1月末に崩落した原田橋(天竜区佐久間町)の再建ルートについて、崩落現場付近への再建計画を含めたA〜Cの3案を示した。このほど開いた住民との意見交換会で明らかにしたもの。今後の意見交換を踏まえ、7月中に一つの案に絞り込む考えだ。
A案は、建設中に崩落した現場付近に再び橋長160bのアーチ橋を架設。B案は、崩落現場の下流約200bの地点に橋長300b(3径間)の箱桁橋を架設。C案は、崩落現場から約500b下流に橋長600b(4径間)の箱桁橋を架設とした。工期はA案が4年、B案が5年、C案が7年と見通す。
A案は橋梁工とともに、左右岸の法面でアンカー工など大規模な対策が必要となる。右岸の国道473号と左岸の市道中部31号線をつなぐB案は、右岸側の一部の斜面で小規模な落石防止工が必要となるが、費用はA案と同額程度と見込んでいる。
一方、両岸の国道473号をつなぐC案は橋長とともに、盛り土による取り付け道路工が必要となる分、費用は最も高額になるとの見解を示した。市は工期や費用などを考慮し、現時点でB案の採用を有力視している。B、C案のいずれかに決まった場合、速やかに実施設計の委託に向けた準備を進める。
原田橋は、2012年度4月に橋を支えるケーブルの一部が破断。本年度中の供用を目指し旧橋の南側で架け替えを進めていた。崩落事故後は、一部が損壊した新橋もいったん撤去する方針を示しており、7月中に解体と河川内に残る残骸の除去を済ませる方針だ。
提供:建通新聞社
(2015/7/1)
建通新聞社 静岡支社